カルヴィン・ボレル(Calvin Borel)騎手は3月7日、アーカンソー州ホットスプリングスのオークローンパーク競馬場で、キャリア5,000勝を達成した。
46歳のボレル騎手は、第6レース(1200m 未勝利クレーミング競走 総賞金1万5,000ドル(約135万円))でヘズニューサル(Hezunusal)に騎乗し、節目である5,000勝を挙げた。ヘズニューサルはファーザースティーヴ(Father Steve)を父とする3歳せん馬で、デヴィッド・ホワイテッド(David Whited)調教師に管理されている。9-2(5.5倍)のオッズだった同馬はコーナーに差し掛かりペースを上げ、最後の直線では他馬を振りきり4馬身差で圧勝した。
オークローン開催が始まった1月の時点でボレル騎手はすでに4,999勝を挙げていたが、同騎手は同開催の数日前に手首を骨折した。2月後半に騎乗を再開したが、なかなか勝利に恵まれなかった。
しかし、ケンタッキーダービーを3勝のボレル騎手は3月7日、ついに26人目の北米5,000勝騎手となった。
ボレル騎手は、この勝利を長年エージェントを務めているジェリー・ヒッサム(Jerry Hissam)氏に捧げ、次のように語った。「騎手を始めたときには5,000レースも騎乗するとは思わず、まして5,000勝するとは夢にも思いませんでした。このレースでの優勝を私のエージェントに捧げたいと思います。彼は素晴らしい仕事をしてくれました。私たちはケンタッキーダービーを3回制しており、レイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)で多くの勝利を手にしました。すべての調教師とファンに感謝したいと思います。彼らは私がいつもベストを尽くしているのを見守り、認めてくれていると思います。好きな競馬場の1つであるオークローンパーク競馬場で5,000勝を挙げたことを非常に嬉しく思います」。
自宅療養中だが回復しつつあるヒッサム氏は「22年間、このような紳士と一緒に働けたことを光栄に思います。こんなに素晴らしい人はいません。ただ最高です」と語った。
この日にオークローンパーク競馬場に来場していたファンには、ホットスプリングス市の厚意でボレル騎手の歴史的な功績を称えた記念のトレーディングカードが提供された。
2011年にアーカンソー州のスポーツの殿堂入りを果たしたボレル騎手は、1995年と2005年に同競馬場のリーディングジョッキーとなった。また、4年間でケンタッキーダービーを3勝したことと、2009年ファンタジーSを優勝した年度代表馬レイチェルアレクサンドラの主戦騎手として最も知られている。同騎手のケンタッキーダービー初勝利は2007年にストリートセンス(Street Sense)騎乗で達成され、その後2009年はマインザットバード(Mine That Bird)および2010年はアーカンソーダービー(G1)2着馬スーパーセーバー(Super Saver)で優勝している。
ボレル騎手は1966年11月7日ルイジアナ州セントマーティンパリッシュ生まれで同州のケージャン育ち。子供のときに草競馬(bush track: 北米の農村地域で行われる非公式で認可されていない競馬)で馬に乗り始めた。同騎手は、アグレッシブな騎乗スタイルで競馬界の最高峰に到達した。馬をインコースの馬混みから上手く抜け出させる度胸から“ボ・内柵(レール)(Bo-rail)”というあだ名を付けられた。
ボレル騎手は3月1日に、サラブレッド競馬殿堂入りの最終候補者として発表されている。なお、3,000勝目と4,000勝目を挙げたのもオークローンパーク競馬場である。
By Jack Shinar
(関連記事)海外競馬ニュース2010年No.26「ボレル騎手の敏腕エージェント、ヒッサム氏(アメリカ)」
[bloodhorse.com 2013年3月7日「Wait Over for Borel as He Secures 5,000th Win」]