ジョッキークラブは4月24日発表の年次報告で、2012年は過去最高の決算となり、記録的な年であったと発表した。
1億5,030万ポンド(約225億4,500万円 前年比8%増)の売上げが、過去最高の1,980万ポンド(約29億7,000万円 前年比3%増)の営業利益達成に寄与した。
そして、2012年の主なフェスティバル開催における過去最高の入場者数や、12.7%増の2,200万ポンド(約33億円)となった非開催日の競馬場貸付料収入、ナショナルスタッド(National Stud)の前年比30%増の収入がこの成長を促進した。
ジョッキークラブグループのCEOサイモン・バザルゲット(Simon Bazalgette)氏は、次のように語った。「悪天候、競馬開催中止、経済不況のほか、ロンドン・オリンピックやユーロ2012(サッカー欧州選手権)との競合を考えると、2012年は順風とは言えませんでした」。
「8%の売上げ増を維持し、営業利益の増加と競馬界への還元が継続することは素晴らしいことです」。
ジョッキークラブは2012年、賞金に過去最高の1,650万ポンド(約24億7,500万円)の資金提供を行った。それは予算立てされた利益の60%以上、昨年15場が提供した賞金総額3,530万ポンド(約52億9,500万円)の47%に当たる。ジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourses: JCR)は2013年、賞金の資金提供をさらに210万ポンド(約3億1500万円)増加させ1,860万ポンド(約27億9,000万円)とする予定である。
JCRの2012年の売上げは、過去最高の1億4,210万ポンド(約213億1,500万円 前年比8%増)、また営業利益は1,880万ポンド(約28億2,000万円 前年比2%増)、平均入場者数は前年比1.5%増となった。
ジョッキークラブが所有する競馬場のメディア権を管理する競馬場メディアグループ(Racecourse Media Group:RMG)は、過去最高の1,490万ポンド(約22億3,500万円)の営業利益をあげた。
バザルゲット氏は次のように付言した。「今年は新しいメディア権契約がスタートし、ターフTV社(Turf TV)からのメディア権収入が増加するという大きな利点が私たちにはあります」。
「このため今年の売上げは2012年の水準を達成し、それを凌ぐ自信があります」。
「そして今年は、良いスタートを切ったので、競馬界への還元を増加させ続けることができると思います。また特に事業全体の成長を維持するためにJCRに対して改革を行ったことで、経営状態は良好であると考えています」。
ジョッキークラブは返済スケジュールに従って負債を返済し続け、負債を610万ポンド(約9億1,500万円)減少させて8,620万ポンド(約129億3,000万円)とした。競馬場内の施設に行った投資の総額は620万ポンド(約9億3,000万円)で、さらにランボーンの調教場の長いギャロップ走路に50万ポンド(約7,500万円)を支出した。
ジョッキークラブエステーツ社(Jockey Club Estates)の調教場を利用する競走馬の頭数は、現役馬が4.1%減少したにもかかわらず全体では4.7%増加した。
ニコラス・リグリー(Nicholas Wrigley)会長は、「理事会を代表して、バザルゲット氏とその他の経営陣および2012年の業績を達成するためにジョッキークラブ内で取り組んだ人々すべてを称賛します」と語った。
By Bill Barber
(1ポンド=約150円)
[Racing Post 2013年4月25日「Jockey Club hails record operating profit fo