海外競馬ニュース 2013年05月23日 - No.21 - 3
“米国でも薬物違反を犯した調教師に英国同様の措置を”との投書(アメリカ)[その他]

 私は25年間サラブレッド馬主および生産者ですが、多くの素晴らしい調教師に出会いました。その大半が仕事熱心で、ルールに従って行動する正直な人々です。マームード・アル・ザルーニ(Mahmood Al Zarooni)調教師のような人はいません。

 BHA(英国競馬統轄機構)がアル・ザルーニ調教師とその管理馬に対して懲戒処分をとったことで、その取組みを称賛します。BHAは調教師と管理馬の両方に罰則を与えることで、この問題に早急かつ厳格に対処しました。

 なぜここ米国においてこれらの大胆で目的に適った対策を講じることができないのでしょうか?米国で調教師が薬物違反で有罪とされた場合、少額の過怠金と30日間の調教停止処分を科されるだけで終わります。薬物を使用された馬は調教され出走しつづけ、違反した調教師は馬主に毎日請求書を送り続け、レースの賞金の進上金を受け取り続けます。これらの調教師は、助手が通常通り調教を続ける一方で、有給休暇を取りつづけることができます。請求書は引き続き届き、レジは動き続け、“薬物投与された馬”は出走し続けることになります。

 BHAは“英国において能力向上のための薬物の使用は容認されないことを大衆と競馬参加者に再確認させるため働きかける”という意思を明確にしました。なぜ米国でそれを行うことができないのでしょうか?

 私は外科医であり、手術室の内外を問わず患者に投薬ミスや偶発事故が起きた場合は全面的責任を負います。私はいわば船長であり、非合法あるいは不適切な薬物使用に関しては責任感が私を止めさせます。

 良い医者もいれば、悪い医者もいます。良い調教師もいれば、不正を働く調教師もいます。私たちの患者、馬および大衆を護るために私たちが競馬産業を取り締まるのは今です。
もう沢山です。

By Dr. Stephen Kramer

[The Blood-Horse 2013年5月4日「Comments Reader Perspective―British Delivers Swift Justice」]