“かくも少数でかくも多数を守ったことはなかった”というチャーチルの言葉は、ギニー競走開催日に“レースメーカー”という名でお目見えしたボランティア案内人のデビューをまさに表現しているようだ。
競馬の魅力を高めるため“グレート・ブリティッシュ・レーシング”(Great British Racing:GBR)が進めている最新の戦略は、 “ゲームメーカー”という名でボランティアが金メダル級の活躍をしたロンドン・オリンピックの成功マニュアルを手本にしている。
“レースメーカー”は今年の英国チャンピオンズシリーズの重要な要素であり、今回ニューマーケット競馬場でデビューした彼らは、その鮮やかなブルーのジャケットおよびパドックツアーと馬券の買い方を説明する立看板で人目を引いていた。
グレートリースに住むオーナーブリーダーのドン・クラーク(Don Clark)氏は、週末のこの活動にすぐに応じた“レースメーカー”の1人であり、その経験を楽しんだ。
クラーク氏は、「人々からの反応は素晴らしいものでした。それぞれ10分間ほど話しをしましたが、大半は初めて競馬場に来た人々でした。少人数のグループでパドックに行き、パレスハウスS(G3)の1着馬と2着馬の予想を披露しました」と語った。
そして、「全体的には非常に好評で、“競馬場にはただ飲みに来ているだけ”といったひとも2〜3いましたが、これは素晴らしい戦略です」と付け足した。
故ミック・ランバート(Mick Lambart)調教師の妻ジョー・ランバート(Jo Lambert)氏も、昨日“レースメーカー”のデビューを果たした。どうしてこのボランティアを始めたかの質問に対し、「ブルーのジャケットが気に入ったからです」と冗談で答えていた。
そして次のように続けた。「私は生まれも育ちもニューマーケットで、競馬が大好きです。すでに沢山の人とやりとりしました」。
“レースメーカー”と話しをした大半の競馬ファンは、競馬場に着くまでこのボランティア活動について知らなかったが、その助けを得ることに満足していた。
エッジウェアから来たブライアン・シンプソン(Brian Simpson)氏も、満足していた一人であり、「感動しました。彼らは本当に役立ち、フレンドリーで、私はここに来たのは初めてですが、くつろいだ気持ちにさせてくれました」と語った。
レースメーカーたちは今年の英国チャンピオンズシリーズ期間中つねに競馬場に現れる予定であり、次は5月17日のヨーク競馬場で活動する。
GBRのCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「私たちは反響に満足しています。人選はすべてソーシャルメディア、つまりウェブサイト、ツイッター、フェイスブックを通じて行いましたので、広告は出しませんでした」と語った。
そして、「募集定員を上回る応募があり、ニューマーケットでは9名の“レースメーカー”が活動しましたが、今後はより多くの“レースメーカー”が活動する予定です」と付言した。
今後“レースメーカー”からの意見も集められることになるだろうが、ストリート氏は最初の教訓として、競馬ファンはレースが進むにつれてだんだんと興味が薄れていくため来場してから第1レースまでの間の関心がより高く、重要であることを指摘した。
By Bruce Jackson
[Racing Post 2013年5月6日「Racemakers create a big impression」]