クライヴ・ブリテン(Clive Brittain)調教師が少数の管理馬をサンゲート(Sungate)で治療したことを認めたことを受けて、「BHA(英国競馬統轄機構)は“サンゲート・スキャンダル”をもう終わらせるべきである」とニューマーケット調教師連合会(Newmarket Trainers Federation: NTF)会長のマーク・トンプキンス(Mark Tompkins)調教師は語った。
そして競馬界が「自分もアナボリック・ステロイド問題で尋問されているニューマーケットの調教師の1人である」という調教師の暴露による新聞のネガティブな見出しに対処するのではなく、前向きに対処すべきだと望んでいる。
ゴドルフィンの元調教師マームード・アル・ザルーニ(Mahmood Al Zarooni)氏は8年間の調教停止処分を受けたが、ブリテン調教師の仲間であるジェラード・バトラー(Gerard Butler)調教師は7件のルール違反があると言い渡されている。
BHAは、3月に調教師全員にこの件について通知したにもかかわらず、禁止薬物スタノゾロール(ステロイド)を含有するサンゲートの使用に関する調査を継続している。
ブリテン調教師は、昨年の冬休養中の5頭〜6頭の管理馬にサンゲートを使用したことを認めたが、信頼しているロスデールス獣医診療所(Rossdales)の勧告に従い治療したものであると述べている。
同調教師は6月11日に次のように語った。「昨年冬に深刻な怪我を負った2歳馬が数頭おり、サンゲートが回復を促すものであるとの獣医師の助言を受けて、使用し治療しました。使用は継続的なものではなく、頭数もおそらく休養中の5頭〜6頭だけです」。
ニューマーケットのバリーロードにあるカールバーグ調教場(Carlburg Stables)に独立した厩舎を持つブリテン調教師は次のように付言した。「私どもの馬は長年にわたりロスデールス獣医診療所に診てもらっており、この診療所に多大なる敬意を持っています。サンゲートは調教中に使用されたのではなく、ただ獣医師が助言した治療法を実施しただけです」。
トンプキンス調教師は、競馬のためにこの騒動に一刻も早くけじめがつけられることを熱望し、次のように語った。「調教師は全員、3月にサンゲートに関する通知を受け取りましたので、それ以降にこの薬物を使用した者がいるとすれば愚かなことです。もし現在実施中の調査がそれ以前のサンゲート使用であれば、競馬界には前向きな新聞見出しが必要なので、BHAができるだけ早く幕引きすることを望みます」。
そして次のように付言した。「私自身ロスデールス診療所を利用していますが、問題が生じたことはありません。勧められたからサンゲートを使用したと述べているのは数人です」。
「私たちが現在求めていることは、公平な条件です。ステロイド使用の世界的禁止は素晴らしいことですが、私たちはまず第一に英国内での問題を早急に正常化する必要があります」。
By David Milnes
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海外競馬ニュース 2013年
No.24「アル・ザルーニ事件、その後の薬物調査拡大とデットーリ騎手の告白(イギリス)」、
No.26「BHA、バトラー調教師をステロイド使用7件と認定(イギリス)」
[Racing Post 2013年6月12日「Call for closure in Sungate affair after Brittain shock」]