昨日の朝、色彩豊かな勝負服とロイヤルアスコットの雰囲気がロンドンの地下鉄にもたらされたことで、通勤客たちは信じられないといった様子で疲れた目を擦っていた。
カースティ・ミルクザレク (Kirsty Milczarek)騎手、レイチェル・ネラー(Rachael Kneller)騎手、ジェイク・グリーンオール(Jake Greenall)騎手など、英国中から集まった騎手とアマチュア騎手は、朝のラッシュ時に何も知らない通勤客と観光客に不意打ちをかけた。彼らは騎乗時の用具一式、勝負服、乗馬ズボン、ヘルメットを身に着けレーシングポスト紙を振りかざした。
5日間の華やかな祭典ロイヤルアスコット開催のプロモーションのため、騎乗ではなく地下鉄乗車をしようという本紙の呼び掛けに、31人の勇敢な騎手が応じたもの。
彼らは、5路線の30駅への小旅行で数々のエピソードを生み、5日間で30レースを施行する今週のロイヤルアスコット開催を盛り上げ、朝食のためにカナリーワーフに戻った。
大半の騎手は、ロンドン周辺でのこのプロモーション活動に参加するために、遠く離れたウェールズ、ヨークシャーそしてデヴィッド・パイプ(David Pipe)厩舎のあるデヴォン州から夜を徹して移動し、地下鉄の駅が開く午前6時30分に集合した。
障害競走のトップ見習い騎手グリーンオール騎手は、次のように語った。「私たちは電車の中では不思議な目で見られましたが、外に出た時に本当に素晴らしい反応がありました。特にタワーブリッジ駅では車がクラクションを鳴らし、キングスクロス駅ではファーストクラスのラウンジに入ることができました」。
彼らはダウニング街、国会議事堂、ビッグベン、テムズ河横断ロープウェー、ピカデリーサーカスおよびホースガーズパレードなどの名所を回った。
夜中にカーディフから移動してきたシャーロット・プリチャード(Charlotte Prichard)騎手とヨークシャーから駆けつけたジョー・メイソン(Jo Mason)騎手は、通勤客で混雑した路線ではあまり活動できなかったが、「すいている路線に移った時には座れておしゃべりができ、1人の婦人は来年ロイヤルアスコット開催に行くと約束してくれました」と語った。
ニューマーケットを拠点とするミルクザレク騎手は、次のように語った。「ロイヤルアスコットのような開催は他にありません。開催が始まる前にロンドンに活気を持ち込む手助けをすることができ、ただ嬉しく思っています。私たちは確かに評判になったと思います」。
本紙のハリエット・コリンズ(Harriet Collins)氏は、「今日は職場に行く通勤客に笑顔をもたらせたものと思います」と語った。
そして、「色彩豊かな朝の始まりになったと思います。このような素晴らしい反響をもたらす協力をしてくれたアマチュア騎手協会(Amateur Jockeys Association)および参加してくれたすべての騎手に深く感謝します」と付言した。
By Bruce Jackson
[Racing Post 2013年6月18日「The joys of Royal Ascot are no underground secret」]