アイルランド政府は12月5日、2013年の競馬・グレイハウンド基金(Horse and Greyhound Fund)への割当金が前年の5,629万ユーロ(約67億5,480万円)から5,500万ユーロ(約66億円)に減額されると発表した。この結果、競馬産業が受け取る割当金は約100万ユーロ(約1億2,000万円)減少することになる。
すなわち、財政的支援が4,503万ユーロ(約54億360万円)から4,400万ユーロ(約52億8,000万円)に減額されることが年間予算において明らかになり、2013年の競馬産業への資金割当は5年連続で減少する。
ホースレーシングアイルランド(Horse Racing Ireland: HRI)のCEOブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)氏は、この予算発表を受けて次のように語った。「5年連続で財政支援が減少することを知り失望していますが、経済情勢全体を考えれば仕方のないことだと思います」。
「2008年には競馬産業への財政支援は6,100万ユーロ(約73億2,000万円)に達していましたが、2013年は28%少ない4,400万ユーロ(約52億8,000万円)となります」。
HRIは、2012年比で2.3%減少することとなる競馬・グレイハウンド基金のうち80%を受け取るがこの予算発表をうけて、HRIのさらなる合理化は避けられないだろう。
カヴァナー氏は次のように付言した。「2013年に向けて私たち競馬界の予算をどうするかについて話し合う必要があるでしょう。今回の財政支援削減によって、競馬産業が資金を確保するための長期的な方法を見つけることがどれだけ重要かが改めて明らかになりました。このため、私たちは現在も引き続き政府とともに取り組んでいます」。
現在検討中で、エクスチェンジ賭事および海外賭事からの収入を確実に手に入れることを狙いとしている賭事改正法案によって、競馬産業への資金配分の枠組みが改善されることが望まれている。
By Tony O’Hehir
(1ユーロ=約120円)
[Racing Post 20012年12月6日「HRI disappointed after 1 million euro budget cut to allocation」]