ニューマーケットにあるカリド・アブドゥラ殿下(Khalid Abdullah)所有のバンステッドマナースタッド(Banstead Manor Stud)に繋養されているフランケル(Frankel)の供用1年目の数字は、ワールドチャンピオンに2度輝いた同馬が種牡馬としても優れていることを示している。
フランケルは6月13日までに133頭の牝馬に種付けを行った。そのうち126頭の受胎が確認されており、受胎率は95%に上っている。不受胎馬7頭のうち6頭は受胎後の胎児死亡であったことで、この数字はなおさら素晴らしいものである。
供用1年目のフランケルの種付台帳に記載された繁殖牝馬のうち24頭は、アブドゥラ殿下のジャドモントファーム(Juddmonte Farms)の所有馬である。これ以外の繁殖牝馬の所有者全てが種付料12万5,000ポンド(約1,875万円)全額を支払い、健康な仔馬が誕生したとすれば、供用1年目にして1,362万5,000ポンド(約20億4,375万円)の収入を生み出すことになる。
この種付台帳には、G1勝馬38頭、G1勝馬の母馬26頭、そして両方を満たす牝馬2頭がいるという実に素晴らしいものである。
種付けした牝馬のうちの113頭(85%)は勝馬で、92頭(69%)はブラックタイプ競走勝馬。また52頭(39%)はブラックタイプ競走勝馬の母馬である。
生産者からフランケルへの高い評価を反映し、117頭(88%)は、自身がブラックタイプ競走勝馬、ブラックタイプ競走勝馬の母馬あるいはその両方である。
これらの優良繁殖牝馬には、アレクサンダーゴールドラン(Alexander Goldrun)、デインドリーム(Danedream)、フィンシャルベオ(Finsceal Beo)、ミッデイ(Midday)およびスタセリタ(Stacelita)などがいる。フランケルが初年度に種付けした繁殖牝馬の平均年齢は10歳であった。
ジャドモントファームのフィリップ・ミッチェル(Philip Mitchell)場長は、次のように語った。「フランケルは種付けシーズン中大変紳士的で、これは種牡馬マネージャーのロブ・ボウリー(Rob Bowley)氏、また生産マネージャーのサイモン・モックリッジ(Simon Mockridge)氏とそのチームの功績です」。
ミッチェル場長は胎児死亡だった繁殖牝馬について、次のように語った。「このことは生産界に、早期胎児死を良く理解することの重要性をはっきりと示しました。そしてサラブレッド生産者協会(Thoroughbred Breeders’ Association)は、アマンダ・ド・メストル(Amanda de Mestre)博士および英国王立獣医科大学(Royal Veterinary College)とともに、“サラブレッドにおける早期妊娠損失に関連する危険要因と病理学(Risk factors and pathologies associated with early pregnancy loss in thoroughbreds)”というプロジェクトに着手したことで称賛されるでしょう」。
フランケルの次の仕事は、南半球の種付シーズンにあわせ、限定頭数に種付けを行うことである。
フランケルの供用1年目の状況 | |
133頭 | 2月15日〜6月13日に種付けした頭数 |
126頭 | スキャン検査により受胎が確認された繁殖牝馬 |
6頭 | 早期胎児死となった繁殖牝馬 |
38頭 | 種付けしたG1勝馬牝馬 |
26頭 | 種付けしたG1勝馬の母馬 |
24頭 | アブドゥラ殿下の所有馬 |
10歳 | 今シーズンに種付けした繁殖牝馬の平均年齢 |
By Martin Stevens
(1ポンド=約150円)
[Racing Post 2013年7月6日「High fertility and outstanding quality the hallmarks of Frankel’s first book」]