海外競馬ニュース 2013年08月01日 - No.31 - 2
スノーフェアリー、輝かしい競走生活を終えて引退(イギリス)[その他]

 世界各国で大活躍した牝馬スノーフェアリー(Snow Fairy)は、世界中の競馬ファンを魅了した6ヵ国でのG1競走6勝という輝かしいキャリアを終えて引退した。

 スノーフェアリーは、クリスティーナ・パティーノ(Cristina Patino)氏所有で2010年英オークス(G1)に優勝し現在6歳だが、最高レベルの地位と高い人気を傷つけることになり得る多くの不安要素があったにも拘わらず復帰を目指していた。

 しかし6月のロイヤルアスコット開催への出走を回避した後、7月16日朝古傷はさらに悪化し、エド・ダンロップ(Ed Dunlop)調教師は、収得賞金391万1,804ポンド(約5億8,677万円)という素晴らしいキャリアに終止符を打つことを決断した。

 ダンロップ調教師は声明で、「今朝スノーフェアリーの引退を決断したときに、胸が締めつけられる思いがしました」と語った。

 そして次のように続けた。「本日通常の調教の一環として行った追い切りの後、残念なことに、過去2年にわたり問題があった前肢の腱の故障が再発しました」。

 「この場をかりて、パティーノ夫人に対して個人的に感謝の意を述べたいと思います。彼女はこのまったく素晴らしいスノーフェアリーにとって最良の馬主でした」。

 ナサニエル(Nathaniel)とセントニコラスアビー(St Nicholas Abbey)を破って優勝した2012年9月のアイリッシュチャンピオンS(G1)が、スノーフェアリーの最後の競走となった。

 ダンロップ調教師は次のように付言した。「大抵の馬主であれば、ずっと早くに彼女を引退させていたでしょう。仮にそうしていたとすれば、競走生活の中でも最も素晴らしいパフォーマンスを見せたアイリッシュチャンピオンS優勝はなかったでしょう」。

 「スノーフェアリーの世話、騎乗、遠征を担当したスタッフにも感謝します。また彼女は、日本でG1を2勝した唯一の海外遠征馬として後世に残ります」。

 2008年のセリで誰からも関心を集めることができず、1,800ユーロ(約23万4,000円)でオーナーブリーダーに買い戻された後のスノーフェアリーのキャリアは、競馬界の最高のシンデレラストーリーの1つである。

 2歳時から優れた馬体をしていたが、本領を発揮したのは3歳時であった。追加登録で出走した英オークスの優勝に続き、愛オークスを優勝し、さらにこの2010年シーズンは日本と香港でのビッグレース優勝で締め括った。

 2011年シーズンは故障によりスタートが遅れたが、京都競馬場でのエリザベス女王杯連勝で終了した。

 最後のシーズンとなった2012年は、ドーヴィル競馬場ジャンロマネ賞(G1)の勝利から始まったが、その後検体から禁止薬物が検出され同レースを失格となった。

 しかし、翌月のレパーズタウン競馬場でのアイリッシュチャンピオンS優勝は、通算21戦8勝、2、3着が8回という素晴らしいキャリアを締めくくるのに相応しい勝利であった。

 今後はアイルランドで繁殖生活を送り、パティーノ夫人のもう1頭の自家生産馬イルーシヴピムパーネル(Elusive Pimpernel)と交配する予定である。

By Andrew Dietz
(1ポンド=約150円)

[Racing Post 2013年7月16日「Snow Fairy retired after glittering career」]