騎手協会(Professional Jockeys Association: PJA)は、英国の騎手に対して、海外で薬物検査を受けるときは注意するよう勧告を行った。
この勧告は、BHA(英国競馬統轄機構)の上席メディカルアドバイザーであるマイケル・ターナー(Michael Turner)博士との話合いを経て、英国拠点騎手の海外遠征がピークに達しているこの時期に行われた。
PJAは最新のニュースレターにおいて、『海外で騎乗する騎手―薬物検査に関する重要なアドバイス(Jockeys Riding Overseas―Important Guidance on Jockey Sampling)』という見出しで次のように述べている。「海外(例えばフランス)で騎乗する騎手は、サンプリング法と手順が英国とは異なる可能性があることを覚えておく必要があります」。
「多くの競馬管轄区が薬物検査および報告をきちんと行うことのできる閾値制度を実施しているものの、すべての競馬管轄区が実施している訳ではありません。この結果、問題となっている薬物を摂取していない場合でも、陽性を示す薬物の微量が検出されるということが起こり得るのです」。
何らかの形で薬物が混入してしまう危険性を防止するために、騎手は、勝負服に着替えた後にサンプリング担当者の前に現れ、手を丁寧に洗い、手渡される保護手袋を着用するよう勧められている。
また騎手は、サンプリング検査員が新しいボトルを使用し、その封が切られるのを見て、そしてプロセス全体を通して検査員が保護手袋を着用していることを確認するようアドバイスされている。
定期的に薬を服用し海外で騎乗を予定している騎手は、PJAの医療コンサルタントのアンナ-ルイーズ・マッキノン(Anna-Louise Mackinnon)博士に申告するよう言い渡されている。そうすれば、同博士は関係書類を準備することができる。
PJAは、「薬物検査が非常に厳格な国もあり、ドラッグストアで購入した風邪薬など、服用したあらゆる薬物を申告することは重要です」と付け足している。PJAのCEOポール・ストラザース(Paul Struthers)氏は、このアドバイスを通知する前にターナー医師とこの問題について話し合い済みである。
ストラザース氏は、「英国拠点の騎手が制度の異なる海外で騎乗するときに、議論を呼ぶような陽性反応が生じるリスクを最小限にするため、私たちはいくつかのアドバイスと優良事例を通知したかったのです」と語った。
By Graham Green
[Racing Post 2013年7月13日「Jockeys issued new guidelines for drugs tests」]