ウェザビーズ社(Weatherbys)発行のジェネラルスタッドブックVol.47は、2009年〜2012年に英国とアイルランドで誕生したサラブレッドの詳細を記し、経済不況が英国とアイルランドで誕生した産駒に大いに影響していることを厳しい言葉で強調している。
Vol.46(2005年〜2008年)の産駒にはシーザスターズ(Sea The Stars)やフランケル(Frankel)のような名馬がおり、Vol.47(2009年〜2012年)の産駒の中にはドーンアプローチ(Dawn Approach)、トロナード(Toronado)およびキャメロット(Camelot)などの一流馬がいるが、Vol.46における産駒7万1,777頭に比べて5万4,126頭しか誕生しなかった。
ジェネラルスタッドブックによれば、英国生産馬はVol.46では2万2,971頭だったがVol.47では1万9,567頭に減少し、アイルランド生産馬はVol.46では4万8,806頭だったがVol.47では3万4,559頭に減少した。
しかし、変化があったのは産駒数だけではなく、それに関連する分野も同様で、それは、生産、競走および賭事に関する国際協定(International Agreement for Breeding, Racing and Wagering)が定義する“サラブレッドを構成するもの”の変化を強調している序文にも表れている。
DNAによる親子識別は2001年から実施されているが、遺伝子学分野の科学進歩に応えて、現在、遺伝子を改良されたと見なされるか、あるいは改良され登録されたサラブレッドはジェネラルスタッドブックに記載されないこととなっており、それは世界中の他の血統登録書でも同様である。
ジェネラルスタッドブックは、1791年にジェームズ・ウェザビーズ(James Weatheby)氏によって初めて発行されたが、それは、英国の人口に対して出生、結婚および死亡登録簿の作成がされるようになる約50年も前であった。その後ジェネラルスタッドブックは世界的に認められる数少ない世界的な血統登録書の1つとなり、今でもなお紙媒体で出版されている。
しばしばくだけた言い方で“母なる”血統登録書として引き合いに出されるジェネラルスタッドブックでは、世界中のどのサラブレッドについても、競走や生産目的のサラブレッドであると正式に見なされるものとして記載されている馬の先祖を辿ることができる。
By Katherine Fidler
[Racing Post 2013年9月28日「Foal decline highlighted in latest stud book volume」]