海外競馬ニュース 2013年10月24日 - No.43 - 3
2011年の米国最優秀2歳馬ハンセン、韓国が購買(韓国)[生産]

 2011年の最優秀2歳馬でBCジュヴェナイル(G1)を優勝したハンセン(Hansen)は韓国に売却された、と同馬の元馬主ケンダル・ハンセン(Dr. Kendall Hansen)氏は10月8日に語った。(ビデオ: 2011 BCジュヴェナイル

 4歳のタピット(Tapit)産駒ハンセンは、クールモア牧場のアシュフォードスタッド(Ashford Stud)に購買され、2012年シーズン終了間近に引退した後、2013年シーズンはそこで種牡馬生活を始めていた。現役時代は馬主がハンセン氏とスカイチャイレーシング社(Skychai Racing)で、マイク・メーカー(Mike Maker)調教師に管理され、ゴーサムS(G3)に優勝し、昨年のアイオワダービー(G3)を10馬身差で制し、ブルーグラスS(G1)では2着だった。

 ハンセン氏は、「ハンセンは本日韓国に旅立ちました。韓国政府は競馬産業を発展させるため全力で取り組もうとしているようで、彼らはこの計画のためにトップレベルの血統を獲得することを望んでいました」と語った。

 ハンセン氏は供用1年目のハンセンに配合するために繁殖牝馬を多数購買しており、この取引の商業的側面を理解しているものの自家生産馬が売却されたことに落胆していると述べた。

 そして次のように続けた。「供用2年目種牡馬の購買は稀なことです。突然購買申込みがあり、しかも高額であったため、アシュフォードスタッドはハンセンを売却しました。大半の牧場がこの状況であれば同じ決定をするのでしょうが、私ならハンセンと個人的な繋がりがあるのでそうはしなかったでしょう」。

 ハンセン氏は、同馬の売却条件には初年度産駒の価格によっては買い戻す選択肢もあると語った。

 そして、「彼が元の生活を取り戻すチャンスは残されています。アシュフォードスタッドは、もし初年度産駒から何頭かステークス勝馬が出たら買い戻す選択肢もあると強調しました」と述べた。

 ハンセンはケンタッキー州で生産され、母がサーキャット(Sir Cat)牝馬ストーミーサンデー(Stormy Sunday)、9戦5勝で2着2回、獲得賞金は181万805ドル(約1億8,181万円)であった。ターフウェイパーク競馬場で未勝利戦を勝ちあがった直後にケンタッキーカップジュヴェナイルを13馬身3/4差で制して評価された。 その後BCジュヴェナイルでは、サラトガスペシャルS(G2)とシャンペインS(G1)を制していたユニオンラグス(Union Rags 翌年ベルモントS勝馬となる)に頭差で勝った。

 関係者がハンセンのフィギュアを配ったり、キーンランド競馬場で出走前に尻尾を青く染めたが裁決委員によって消すように命令されたことなどでも、ハンセンは話題となった。2012年ケンタッキーダービー(G1)では9着に終わり、8月4日のウエストヴァージニアダービー(G2)では4着に終わり、その後屈腱炎を発症し引退した。

 ハンセン氏は、「ハンセンが外国に売却される可能性は考えておらず、契約書に書き入れておくべきでしたが、今私ができる最善策は、ハンセンの初産駒が競走で成功することを確かにすることです」と語った。

 韓国馬事会(Korea Racing Authority)が近年購入した人気種牡馬には、レーンズエンド牧場(Lane's End Farm)に繋養されていたロックハードテン(Rock Hard Ten 父クリスエス)、フロリダ州のシグネチャースタリオンズ(Signature Stallions)に繋養されていたチャペルロイヤル(Chapel Royal 父モントブルック)がいる。

 2005年9月に韓国第二の都市釜山に競馬場がオープンし、韓国政府は京畿道(きょんぎど)の漣川郡(よんちゅんぐん)に3つ目の競馬場をオープンさせることを2010年に承認した。この競馬場が2015年8月にオープンすれば、地元生産者および海外のサラブレッド供給業者の双方にとって市場の拡大となると期待されている。

 漣川競馬場は釜山競馬場と運営規模の面で類似しており、800頭程度の競走馬が入厩できるだろう。

 韓国の競馬関係者は2010年に119頭の繁殖馬と200頭の競走馬を米国から輸入した。また、現在韓国では年間約1,000頭が生産されている。

By Claire Novak
(1ドル=約100円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.2「韓国の生産者がチャペルロイヤルを購買(韓国)」

[bloodhorse.com 2013年10月8日「Champion Hansen Sold to South Korea」]