初の凱旋門賞(G1)勝利を切望しロンシャン競馬場を訪れた数千人もの日本の競馬ファンにとって凱旋門賞の優勝は結局実現しなかったが、ジャンリュックラガルデール賞(G1)で日本産のカラコンティ(Karakontie 父バーンスタイン)がG1優勝の栄誉を勝ち取り白と赤の日の丸をはためかせたことで、少なくとも凱旋門賞の前に心地よい応援を楽しむことができた。
ニアルコスファミリー(Niarchos Family)の所有するカラコンティが、終始先行していたスペインのヌーゾーカナリアス(Noozhoh Canarias)をゴール直前でとらえ4戦3勝を果たしたことで、ジャンリュックラガルデール賞を制するという英国とアイルランドの期待は砕け散り、ウィルシャーブルヴァード(Wilshire Boulevard)とバーリーモウ(Barley Mow)はそれぞれ4着と5着に終わった。
現在ベット365社で来年の英2000ギニー(G1)に16-1(17倍)のオッズが付けられているフランス調教馬カラコンティは、元々英国人のジョナサン・ピーズ(Jonathan Pease)調教師がこの3/4馬身差の勝利を演出したので、日本だけではなく英国にも関係している。3着に入ったのはチャームスピリット(Charm Spirit)だった。
同じく日本産の母馬サンイズアップ(Sun Is Up 父サンデーサイレンス)が、オーナーブリーダーであるニアルコスファミリー所有の2004年凱旋門賞馬バゴ(Bago)との交配を控えていたことで、カラコンティは北海道で誕生した。そして更なる極東との繋がりとして、勝利したステファーヌ・パスキエ(Stephane Pasquier)騎手はレース前に日本のスーパーヒーローのポケモンのカードを2枚もらっていた。同騎手は、「これらのカードは私に3倍の強さを与え、勝負服の中に忍ばせておくと負けることは無いと言われました」と述べ、事実彼は負けなかった。
しかし、これは大変な挑戦であったとピーズ調教師は語り、この2歳馬に通常は長距離の障害馬がつける肢巻をつけていたことを明かした。
「カラコンティは何とか差し切りました。もう少し才能を見せられただろうと思いますが、それでも彼は勝ちました。彼には伸びしろがあり、もっと力を付けるでしょうから、これでキャリアが終わりになるとは考えていません」。
ニアルコスファミリーのレーシングマネージャーであるアラン・クーパー(Alan Cooper)氏は2000ギニーがカラコンティの来春の目標となるだろうと示唆したが、どの国の2000ギニーを狙うかはまだ分からないと述べた。また、猛烈なスピードで発走し、勝馬をかわそうと全力を尽くした2着馬ヌーゾーカナリアスの今後の予定は未定である。騎乗していたクリストフ・スミヨン(Christophe Soumillon)騎手は、「ヌーゾーカナリアスは、先頭を取るのが少し早すぎました。そしてスタートから100mほどの地点にあった穴で肢をとられました」。
リチャード・ヒューズ(Richard Hughes)騎手によれば、5着馬バーリーモウは穴のためではなく未熟さのために敗れた。同馬を管理するリチャード・ハノン(Richard Hannon Jr)調教師は次のように語った。「バーリーモウは来年の2000ギニー出走馬に相応しいことが分かったので、当面はそのように扱います。来年競走に戻ってくる時には素晴らしい馬になっているでしょう」。
2013年ジャンリュックラガルデール賞(G1 1400m)の結果 | |||
1着 | カラコンティ(Karakontie) | オッズ11-4(3.75倍) | |
2着 | ヌーゾーカナリアス(Noozhoh Canarias) | オッズ7-2(4.5倍) | |
3着 | チャームスピリット(Charm Spirit) | オッズ7-1(8倍) | |
馬主:ニアルコスファミリー (Niarchos Family) |
調教師:ジョナサン・ピーズ (Jonathan Pease) |
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騎手:ステファーヌ・パスキエ (Stephane Pasquier) |
厩務員:セバスティアン・ルソー (Sebasitian Rousseau) |
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生産者:フラックスマン社 (Flaxman Holdings Ltd.) |
着差:3/4馬身、1馬身1/4 |
By Lee Mottershead
[Racing Post 2013年10月7日「Karakontie’s battling victory has Japanese bannars waving」]