海外競馬ニュース 2013年12月05日 - No.49 - 2
ブリーダーズカップ協会会長、欧州勢躍進で遠征の気運が高まることを期待(アメリカ)[開催・運営]

 ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)のウィリアム・S・ファリッシュ(William S. Farish jnr)会長は、今回のブリーダーズカップで英国勢が記録に並ぶ大活躍したが、これが英国内にとどまっている調教師に対して、今後賞金総額数百万ドルのブリーダーズカップに馬を遠征させる後押しとなることを望んでいる。

 2006年から2011年までの5年間BCL会長を務め今年9月に再び選出された同会長は、米国内の英国人ファンに混じって、第30回ブリーダーズカップにおけるロンドンブリッジ(London Bridge ジョー・ヒューズ(Jo Hughes)厩舎)のBCマラソン優勝、アウトストリップ(Outstrip チャーリー・アップルビー(Charlie Appleby)厩舎)のジュヴェナイルターフ優勝、クリセリアム(Chriselliamチャーリー・ヒルズ(Charlie Hills)厩舎)のジュヴェナイルフィリーズターフ優勝、ダンク(Dank サー・マイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)厩舎)のBCフィリー&メア・ターフ優勝に祝杯をあげた。また、エイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)厩舎のマジシャン(Magician)がBCターフ(G1)を優勝したことで、アイルランド人も仲間に加わった。

 今年欧州からの遠征馬の頭数が2012年の24頭から16頭に減少したが、ファリッシュ会長は、欧州からより多くの出走馬を得ることが成功をもたらすと考えている。

 ファリッシュ会長は、「ある年のことを深読みしすぎることがありますが、遠征させるのに相応しい馬がいなかったということもあるので、今回の欧州遠征馬の減少には落胆していません」と語った。

 今年は初めて、欧州遠征馬すべてに4万ドル(約400万円)の輸送助成金が与えられ、出走登録料が賞金額の3%から2%に引き下げられていた。

 ファリッシュ会長は次のように付け足した。「毎年欧州遠征馬の頭数を見て、欧州馬の出走を非常に高く評価しています。遠征馬を呼ぶためにできることはすべて行っていますが、実際に馬が活躍すること以上に効果のある参加奨励策はありません」。

 サンタアニタ競馬場は過去6年で4回のブリーダーズカップを開催しているが、ファリッシュ会長は、近年開催場が限られていることが欧州の関係者およびファンの興味を損なわせているとは考えていない。

 そして次のように語った。「欧州人はロサンゼルスに行くことを好んでおり、今回2人の欧州人調教師から初めて、ほぼ堅いという保証付きの芝コースも悪くないと聞きました」。

 「欧州の平地シーズン終盤のチャンピオンズデー開催時は馬場が柔らかいので、ブリーダーズカップは自然な選択肢になります」。

 英国チャンピオンズデーからブリーダーズカップまでが2週間と短いにも拘わらず、ファリッシュ氏は、世界のビッグレースは多ければ多いほど良いという実例であると主張し、アスコット競馬場の平地シーズンを締めくくるチャンピオンシップ開催を称賛した。

 「日程をうまく調整できるのであれば、愛国チャンピオンズデー、英国チャンピオンズデー、凱旋門賞およびブリーダーズカップの全てを盛り込みたくなります。そう出来れば素晴らしいことでしょうが、残念ながら全てに出走できる十分な時間はありません」。 
 

開 催 名 賞 金 額 レース数 1レース平均総賞金
ブリーダーズカップ
(10/31〜11/1)
1,566万ポンド
(25億   560万円)
14レース 112万ポンド
(1億7,920万円)
凱旋門賞デー
(10/4〜10/5)
647万ポンド
(10億3,520万円)
11レース 59万ポンド
(9,440万円)
英国チャンピオンズデー
(10/17〜10/18)
420万ポンド
(6億7,200万円)
11レース 38万ポンド
(6,080万円)
愛国チャンピオンズデー
(9/13〜14)
122万ポンド
(1億9,520万円)
15レース 8万ポンド
(1,280万円) 

 
By Andrew Dietz
(1ポンド=約160円)

[Racing Post 2013年11月5日「Winning streak encouraging for future says Cup chairman」]