デロイトスポーツビジネス社(Deloitte Sports Business Group)の分析によれば、英国でスポーツが盛り上がった2012年において、競馬が観客動員数と視聴率で主役を演じた。
すなわち、夏にスポーツの中心となったロンドンでのオリンピックやパラリンピックを除けば、競馬は2012年の観客動員数トップ10のイベントのうち4つを占めた。そしてバーリーホーストライアル(Burghley Horse Trials)を含めると、馬関係イベントはリストの半分を占めた。
エイントリー競馬場の目玉であり世界一有名なグランドナショナルは、2008年以来最高の1,090万人のテレビ視聴者を惹きつけ、スポーツカレンダーにおけるその地位が改めて確認された。オリンピックとパラリンピック以外でグランドナショナルの視聴者数を上回ったのは、アンディ・マレー(Andy Murray)選手が出場した全英オープンテニスの男子決勝戦のみである。
ロイヤルアスコット開催は5日間で28万人を集め、観客動員数ランキングで、全英オープンテニスとシルバーストーンで開催されたF1グランプリに次ぐ3位となった。チェルトナムフェスティバルは4日間で23万7,000人を集め5位となり、英ダービー開催は2日間で16万人を集め8位、グランドナショナルは3日間に15万人を集め9位となった。
デロイトスポーツビジネス社のアラン・スウィッツァー(Alan Switzer)部長は、「英国競馬の多様性と質は世界中で尊重されており、そのことは大レースを観戦するために引き続き競馬場に集まっているファンの数に表れています」と語った。
そして、「約1,100万人がBBCの2012年グランドナショナルを視聴しました。そして2013年からはチャンネル4で放映されることになります」と付け足した。
競馬変革プロジェクト(Racing For Change)のCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「英国のスポーツ界全体が盛り上がった2012年において、競馬の主要開催が非常に多くの観衆とテレビ視聴者をなお集めていることは素晴らしいことです」と語った。
そして、「馬に関わるスポーツが2012年の観客動員数の半分を占めており、もしバドミントン馬術競技会が雨で中止にならなければ上位10位のうち6つを占めていたでしょう。馬が英国人の余暇において極めて重要な役割を演じていることは明らかです」と付言した。
英国の2012年観客動員ランキングトップ10* | |||
スポーツイベント | 開催期間 | 観客数 | |
1 | 全英オープンテニス | 13日間 | 48万5000人 |
2 | F1イギリスGP(シルバーストーン) | 3日間 | 29万7000人 |
3 | ロイヤルアスコット開催 | 5日間 | 28万人 |
4 | ATPテニスワールドツアー決勝戦 | 8日間 | 26万3000人 |
5 | チェルトナムフェスティバル | 4日間 | 23万7000人 |
6 | 全英オープンゴルフ** | 4日間 | 18万1000人 |
7 | バーリーホーストライアル | 4日間 | 17万8000人 |
8 | 英ダービー開催 | 2日間 | 16万人 |
9 | グランドナショナル開催 | 3日間 | 15万人 |
10 | Moto GP(シルバーストーン) | 3日間 | 14万6000人 |
*オリンピック、パラリンピックおよび入場料無料のスポーツイベントは除く。入場料無料のスポーツイベントを含めれば、毎年観戦者数100万人と見られるロンドンマラソンが断然1位であろう。**全英オープンゴルフには練習ラウンドも含まれる。
By Graham Green
[Racing Post 2012年12月31日「Racing’s major turn-on with four of the top ten spectator sporting events」]