日曜日のレースの質を改善し競争力を高めるための措置として、日曜競馬の開催はBHA(英国競馬統轄機構)から毎週1万ポンド(約140万円)の追加ボーナス賞金を受け取ることとなっている。
ホースメングループ(Horsemens’ Group)および競馬場協会(Racecourse Association)が策定したこの計画によれば、優勝馬関係者へのボーナスは、BHAが開催権の一部を入札で競馬場に与える際の開催権料収入の積立てによって賄われる。
BHAは、1レースあたり最大5,000ポンド(約70万円)アップする2つの日曜レースを指定することとしており、まずは今度の日曜日のマッセルバラ競馬場とリングフィールド競馬場で施行されるレースが対象となる。
BHAの競走担当理事であるルース・クイン(Ruth Quinn)氏は、「日曜競馬は出走頭数の少ないことが多く、出走馬関係者に追加的な費用負担が生じていることは認識しています。今回の計画は、日曜競馬を改善し得る方法を試す幅広い計画の一環です」と語った。
BHAは、51万5,000ポンド(約7,210万円)の基金を積み立てており、この基金は、入札で開催権を獲得した競馬場に課される1開催当たり5,000ポンド(約70万円)の開催権料103日分を集めたもので、開催日数に応じてボーナスレースに支出される。開催が中止となれば、ボーナスは基金に返還される。
昨年ホースメンズグループは同様の計画を運営したが、その計画の下では、一部の団体メンバーしか追加賞金額を得る資格がなかった。今回の計画では、日曜競馬の優勝馬主や生産者は皆ボーナスを受け取る資格があるものの、非メンバーよりも馬主協会(Racehorse Owners’ Association: ROA)やサラブレッド生産者協会(Thoroughbred Breeders’ Association: TBA)のメンバーにより多くの割合が支払われることになる。
すなわち、ROAのメンバーはボーナスのうち3,150ポンド(約44万1,000円)を受け取り、非メンバーへの還元額は1,000ポンド(約14万円)である。TBAのメンバーへの賞金は500ポンド(約7万円)であり、非メンバーへの賞金は150ポンド(約2万1,000円)である。残りの1,350ポンド(約18万9,000円)は優勝馬の調教師、騎手および厩務員の間で分配される。
ROAのCEOリチャード・ウェイマン(Richard Wayman)氏は次のように語った。「日曜日のボーナスレースは、日曜競馬番組への資金不足に取り組むための歓迎すべき第一歩です」。
「馬主と調教師が日曜日の追加費用を負担している現状において、このボーナス支払いは、より競争力があり興味深いレースを毎週提供するのに役立つ奨励金となるでしょう」。
「優勝馬の関係者すべてが恩恵を得ることは、この計画の重要な特長です。同様にこの支給構造は、馬主と生産者の利益増加を目的とする代表団体により多くの関係者を関与させるための更なるきっかけにもなります」。
全国調教師連合会(National Trainers' Federation)のCEOルパート・アーノルド(Rupert Arnold)氏は、「私たちは日曜競馬への出走馬を増やす奨励策を歓迎しますが、これだけで日曜日の番組の質や全体の賞金額改善につながるものではありません」と語った。
By Jon Lees
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2013年1月28日「Sunday races get £515,000 boost in BHA scheme」]