海外競馬ニュース 2013年02月28日 - No.9 - 1
ケンタッキー州の馬資源の総評価額は234億ドル(アメリカ)[その他]

 国立農業統計局(National Agricultural Statistics Service)ケンタッキー大学農学部(University of Kentucky College of Agriculture)およびケンタッキー州馬評議会(Kentucky Horse Council)と連動して実施した州全体にわたる包括的調査によれば、ケンタッキー州の馬および馬関連資産の総評価額は、約234億ドル(約2兆1,060億円)である。

 研究の第一段階として発表されたこの数字は、ケンタッキー州における馬の重要性を州議員により良く伝えるために使われるだろう。第2段階の結果も年内に発表され、馬産業の経済的影響についての分析を提供するだろう。

 ケンタッキー州馬教育プロジェ クト(Kentucky Equine Education Project: KEEP)の常任理事パトリック・ニーリー(Patrick Neely)氏は、「234億ドル(約2兆1,060億円)という数字が、まさに私の目に飛び込んできました。これは言うまでもなく莫大な数字です。この研究は、私たちが何年にもわたって述べてきたことを裏付けます。馬産業はケンタッキー州において大きな経済的影響を与えています」と語った。

 馬、ポニー、ロバおよびラバなどの馬種すべてにわたる調査は、1977年以来のことである。この調査は2012年6月〜10月に実施され、馬の頭数は24万2,000頭で、3万5,000の馬に関わる事業が確認され、馬使用のために充てられている土地は110万エーカー(約44万ヘクタール)であることがわかった。

 研究の第一段階では、馬に関わる事業の販売、収入、支出および資産を検討された。馬全体の販売額は5億2,110万ドル(約468億9,900万円)とみられ、他の4億9,100万ドル(約441億9,000万円)は、生産、調教、乗馬などのレッスン、預託、輸送、賞金、奨励金および馬に関係するサービスによる収入。

 この研究結果は、馬産業が州議会からの援助を求めて運動を続けている時期に発表された。スティーヴ・ベッシャー(Steve Beshear)州知事は、まだ法案も提出されていないにもかかわらず、馬産業に収入の恩恵をもたらすだろうと思われる賭事拡大に関する州憲法の改正を模索している。

 馬産業を代表してロビー活動を行っているKEEPのニーリー氏は、「KEEPは州議員全員にこの研究結果を提供するつもりであり、このことによって、馬産業が保護を必要とし、ケンタッキーの数万世帯に極めて重要であるという主張が強化されることを望んでいます」と語った。

 1月後半、KEEPと他の団体は、今年か来年に州憲法の改正がなされる場合に備えて文言の検討に取り組んでいた。

 この計画に対しては、ケンタッキー大学農学部、ケンタッキー州馬評議会および他の産業組織と個人に加え、ケンタッキー州農業開発基金(Kentucky Agricultural Development Fund)が財政支援を行った。

 

調 査 結 果
馬の生産頭数
サラブレッド種 5万4,000頭
クオーターホース種 4万2,000頭
テネシーウォーカー種 3万6,000頭
乗用馬 1万4,000頭
ロバ、ラバ、ブロー 1万4,000頭
マウンテンホース種 1万2,500頭
スタンダードブレッド種 9,500頭
馬の主な使途
乗馬/娯楽 7万9,500頭
繁殖牝馬 3万8,000頭
競技/ショー 2万4,500頭
1歳馬、当歳馬 2万3,000頭
競馬 1万5,000頭
馬の事業目的別割合
生産事業 73%
預託、調教、乗馬 56%
牧場または農場使用 10% 


By Tom LaMarra
(1ドル=約90円)

[The Blood-Horse 2013年2月2日「Survey Puts High Economic Value on Equine Industry in Kentucky」]