海外競馬ニュース 2014年01月09日 - No.1 - 2
プリークネスSの総賞金、150万ドル(約1億5,000万円)に増加(アメリカ)[開催・運営]

 メリーランドジョッキークラブ(Maryland Jockey Club: MJC)は12月12日、プリークネスS(G1)の総賞金を現在の100万ドル(約1億円)から150万ドル(約1億5,000万円)に引き上げると発表した。

 これは1マイル3/16(1900m)のプリークネスSにとって、1998年に100万ドル(約1億円)に引き上げられて以来の賞金増額となる。三冠競走の2戦目となる同競走は、2014年5月17日にピムリコ競馬場で施行される予定であり、メリーランド州の競馬は最近復活を遂げつつある。

 MJCのトム・チャッカス(Tom Chuckas)理事長は、「プリークネスSデーが我々の州にとって最大の開催日であることは明らかです。この賞金増額は、私たちの存在と力を示す競馬産業へのメッセージになり、パートナーシップにも良い影響をもたらしファン層の拡大に繋がることになるでしょう」と語った。

 昨年12月、MJCはピムリコ競馬場とローレルパーク競馬場で競馬開催が行う10年契約を、メリーランド州サラブレッドホースメン協会(Maryland Thoroughbred Horsemen's Association)およびメリーランド州馬生産者協会(Maryland Horse Breeders Association)と締結した。チャッカス理事長は次のように語った。「メリーランド州の競馬界と生産界の状況は、次の事柄によって改善されています。それは、(1) この10年契約、(2) 引き続く賞金増額、(3) メリーランド州のカジノ収入を利用して州が実施した競馬場改修、(4) 馬主と生産者に対する奨励金策、(5) メリーランド州の中大西洋地区統一薬物協定(Mid-Atlantic Uniform Medication)への加入です」。

 「ここ2年でいろんなことがメリーランド州競馬の地位改善に寄与し、安定性と信頼性を向上させました。過去5年から10年にわたり、メリーランド州はさまざまな理由のために打撃を受けましたが、昨年多くの事が起きて私たちに再び正しい方向に進ませる一助となりました」。

 プリークネスSの前日の5月16日は、総賞金50万ドル(約5,000万円)のブラックアイドスーザンS(G2)と総賞金30万ドル(約3,000万円)のピムリコスペシャル(G3)をはじめとする賞金アップとなった8レースが行われる。プリークネスSの前座レースとしては、総賞金30万ドルのディキシーS(G3)と総賞金15万ドル(約1,500万円)のメリーランドスプリントH(G3)、ガロレットH(G3)およびアレールデュポンディスタフS(G3)を含む8つのステークス競走が行われる。

 チャッカス理事長はリリースにおいて次のように述べた。「プリークネスSは、その週末のプログラムの中心です。プリークネスSデーとその前日の合計26レース中17レースは、ステークス競走です。この賞金増加で、2日にわたるステークス競走のプログラムの価値は約400万ドル(約4億円)近くになります」。

 チャッカス理事長は、プリークネスSの賞金増加はホースマンに支持されていると述べた。MJCは、現在1日あたり25万ドル(約2,500万円)の下級条件競走の賞金とそのステークス競走プログラムとのバランスを取るよう取り組んでいると語った。そして州で一番の競馬統轄機関もこの賞金増加を支持している。

 メリーランド州競馬委員会(Maryland Racing Commission)のブルース・クエイド(Bruce Quade)会長は声明において、「この動きを支持します。メリーランドの競馬を競馬界において秀でた地位に返り咲かせる新たな一歩です」と語った。

 これは、チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.)がケンタッキーダービーの総賞金を2005年に100万ドル(約1億円)から200万ドル(約2億円)に増加させて以来の三冠競走の賞金引上げである。

 1873年の創設時に、プリークネスSの総賞金は1,000ドルであった。1919年に2万5,000ドルとなった時が最初の大幅増で、1946年には10万ドルとなり、1959年には15万ドルとなり、三冠競走の中で最高額を誇っていた。1979年から1989年にかけて、総賞金は20万ドルから50万ドルとなり、その後現在の100万ドル(約1億円)に到達した。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約100円)

[bloodhorse.com 2013年12月12日「Preakness Purse Increased to $1.5M in 2014」]