3月31日にジョッキークラブが発表した馬故障データベース(Equine Injury Database)の統計によれば、2013年にレース中の予後不良事故はわずかに減少した。
2009年1月1日〜2013年12月31日までの予後不良事故率は出走頭数1,000頭あたり1.91頭であった。一番安全な人工馬場が出走頭数1,000頭あたり1.22頭であったのに対し、芝はそれに続く1.63頭、ダートは2.08頭であった。
このデータは延べ187万1,522頭の出走馬の分析に基づいている。2013年に限った全体の予後不良事故率は出走頭数1,000頭あたり1.90頭で、2012年の1.92頭からわずかに減少した。
馬故障データベースのコンサルタントを務め、この分析を行ったグラスゴー大学の獣医師で伝染病学者ティム・パーキン(Tim Parkin)博士は、次のように語った「この分析はダートと人工馬場での予後不良事故が2013年にわずかに上昇傾向にあったこと、そして予後不良事故の件数が芝で20%減少したことを示しています。全体的に見て、相変わらず人工馬場ではダートや芝よりも予後不良事故がずっと少ないです」。
「1200m以下の短距離レースでの予後不良事故率は中距離や長距離のレースよりもわずかに高く、統計によればその傾向はこの5年間ずっと同じでした。2013年の古馬の予後不良事故率は前年よりも増え、2歳馬の予後不良事故率は5年連続で他の年齢層と比べて低い水準にあります」。
この統計は馬がレース後72時間以内に死亡に至った故障だけを“予後不良事故”としている。
より詳しい情報はブラッドホース誌のホームページ(BloodHorse.com)、競馬場リストとその統計はジョッキークラブのホームページ(jockeyclub.com)で閲覧可能である。
2009年〜2013年馬故障データベースの統計 | |||
馬場 | 予後不良件数 | 出走頭数 |
予後不良事故率 (出走馬1000頭あたり) |
人工 | 289頭 | 23万6,167頭 | 1.22頭 |
芝 | 411頭 | 25万1,665頭 | 1.63頭 |
ダート | 2,882頭 | 138万3,690頭 | 2.08頭 |
By The Blood-Horse staff
(関連記事)海外競馬ニュース2013年No.15「2012年の北米での予後不良事故率は横ばい(アメリカ)」
[The Blood-Horse 2014年4月12日「Racing Injury Trends Remain Fairly Constant」]