ブリーダーズカップ協会(Breeders' Cup Ltd.:BCL)がBCマラソン(Breeders' Cup Marathon)を廃止すると決定したことを受けて、ヨーロッパから参戦する競走馬関係者にとっては高額賞金のレースの1つが失われることとなった。
2008年に創設されて以来、同レースにおいては、英国およびアイルランドの調教馬が施行された6回の内、その半分3回を優勝している。その3頭とは、2008年優勝のムハンナク(Muhannak)、2009年のマンオブアイロン(Man of Iron)、そして管理調教師のジョー・ヒューズ(Jo Hughes)女史に1着賞金約17万ポンド(約2,890万円)というそのキャリアの中で最高額の賞金をもたらした2013年のロンドンブリッジ(London Bridge)である。
この2,800mのレースは長距離馬の生産と競走を奨励するために導入されたが、北米の生産者からはスピード重視になりすぎていると批判が出ていた。
しかしながら、ロンドンブリッジが昨年11月に優勝して108というレーティングを付けられていたことからも分かるように、BCLは同レースが十分な質の出走馬を集めていないと感じていた。理事長のクレイグ・フラヴェル(Craig Fravel)氏は声明の中で、「最高レベルの競争を繰り広げるプログラムを実施することが、我々のミッションです。BCマラソンに参戦してくださる関係者には心から感謝をしていますが、同レースはBC開催の他レースの標準的なレベルに並ぶほどまでは発展しませんでした」と述べた。
BCマラソンは英国のアラン・マッキャブ(Alan McCabe)調教師のマスターフルアクト(Masterful Act)が出走するレースとして候補に挙げられていたが、同調教師はこのレースが廃止されたことについてひどく驚いているという様子でもない。
マッキャブ調教師は、「残念ではありますが、おそらくBC開催に見合う質の馬を集められていなかったということでしょう。マスターフルアクトにとって馬場が合うかどうかは疑問でしたし、そのことを確認するためには長距離の移動が必要となったでしょう」と語った。
これまで金曜日のプログラムで開催されていたBCマラソンは、2011年にBC開催が15競走に拡大されてから、廃止されることになった2番目のレースとなる。BCジュベナイルスプリント(Breeders' Cup Juvenile Sprint)は、創設からたった2度の施行で廃止となった。
By David Baxter
[Racing Post 2014年4月27日「Marathon dropped from Breeders’ Cup programme」]