キーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手の復活は、現時点で英ダービー(G1)の2番人気馬トゥルーストーリー(True Story)への騎乗が依頼されたことで、拍車がかかった。ファロン騎手は英2000ギニー(G1)を人気薄ナイトオブサンダー(Night of Thunder)で制し、サイード・ビン・スルール(Saeed Bin Suroor)厩舎の主戦騎手の1人に抜擢されたのだ。
これまでビン・スルール厩舎のトゥルーストーリーの手綱を取り2勝を挙げた上に、その2勝の間に同厩馬アフリカンストーリー(African Story)でドバイワールドカップ(G1)を制したシルヴェストル・デ・ソウサ(Silvestre de Sousa)騎手は、5月15日のダンテS(G1)ではこのゴドルフィンの有望馬に騎乗しないようだ。
過去にエイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)厩舎、サー・マイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)厩舎、サー・ヘンリー・セシル(Sir Michael Stoute)厩舎に所属してきたファロン騎手(49歳)は、5月4日もデ・ソウサ騎手を差しおきビン・スルール厩舎のエリートガーデンズ(Elite Gardens)に騎乗してニューマーケットでのデビュー戦を勝ち、次はロイヤルアスコット開催を目指す予定である。
ビン・スルール調教師は5月4日、単勝オッズ40-1(41倍)のリチャード・ハノン(Richard Hannon)厩舎のナイトオブサンダーで英2000ギニーを制した翌日に今後の騎乗依頼予定の見直したことを発表し、リーディングに6回輝いたファロン騎手を“世界クラスの騎手”と表現した。
ファロン騎手は次のように語った。「私にとって素晴らしいことです。ゴドルフィンには優良馬が多数おり、その大半が2歳馬です。週末にビッグレースがひしめき合っていて競馬真っ盛りの今、私たち2人には多くの素晴らしい騎乗機会があるでしょう」。
「ビン・スルール調教師は常に親切にしてくれ、ゴドルフィンの優良馬に騎乗できるなんて幸せです。昨年英国で最悪なシーズンを送った後に、彼らは私を救ってくれ、その後私はドバイで彼らと素晴らしい時期を過ごし、ビン・スルール調教師はリーディングトレーナーとなりました」。
英ダービーの現時点でのオッズが8-1(9倍)のトゥルーストーリーについて意見を求められ、ファロン騎手は次のように述べた。「調教で初めてトゥルーストーリーに乗った時から、ワクワクしました。この春ニューマーケットのフェイルデンS出走前に同馬に騎乗しましたが、目立つ馬でした。その後同馬はこのレースを制して頭角を現しました」。
ドバイから戻ってすぐにファロン騎手はビン・スルール厩舎の2番目の騎手として認められ、ゴドルフィンのもう1人の調教師であるチャーリー・アップルビー(Charlie Appleby)氏は、ミカエル・バルザローナ(Mickael Barzalona)騎手を主戦騎手として起用している。(訳注:アップルビー調教師は、昨年管理馬からのステロイド検出で8年間の調教停止処分を受けたアル・ザルーニ氏の調教場を引き継いだ)
ビン・スルール調教師は5月4日、今後の騎乗計画は朝の調教でどの騎手がどの馬とコンビを組むか見てから決定するだろうと語った。
そして、「ファロン騎手は今朝の調教でトゥルーストーリーに乗り、ダンテSでも騎乗するでしょう。ヨーク競馬場でのダンテSですべてがうまく行けば、ダービーでも騎乗するでしょう」と語った。(訳注:トゥルーストーリーはダンテSで、鞍上ライアン・ムーア騎手のザグレイギャッツビー(The Grey Gatsby)の3着となった)
そして、「私たちはファロン騎手とデ・ソウサ騎手が分け合えるだけの馬を管理しており、2人に騎乗が行き渡るのに十分な馬がいます」と付言した。
By Lee Mottershead and David Milnes
[Racing Post 2014年5月5日「Fallon to share top role for Bin Suroor」]