過去3年間の財政混乱で破綻寸前のイタリア競馬産業は、7月末までに賞金支払いの適正な手順を確立できない限りイタリアが来年からヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committee)のメンバー国から外されるという状況下で、依然としてすべての部門を満足させる解決策を模索している。
安定的な基盤を築くための次のステップは、2014年の残りの競馬開催日程全体と賞金額の配分を発表することで達成されるとみられてきた。
しかし、昨年競馬産業に対する責任を引き継いだ農業食糧林業省(Mipaaf)は、一度に1ヵ月分の開催日程しか明らかにしない方針を採り続けており、まだ6月分の開催日程しか発表していない。
開催日程を42日削減し、現在すでに約30%減少している2014年の賞金額をさらに減らすことも明らかになった。削減された日程には、すでに出走登録が済んでいるローマのカパンネッレ競馬場の日程も含まれている。
イタリアの最高裁判所は最近、Mipaafが引き継ぐまで競馬を統轄してきたUNIRE(Unione Nazionale per l’Incremento delle Razze Equine)とASSI(Agenzia per lo sviluppo del settore ippico)の経営陣に有罪の判決を下した。判事はUNIRE-ASSIの経営は効率性を欠くとともに、予算と支出の管理に不正があり、また、いくつかの法律も順守されていなかったと裁決した。
さらに、Mipaafが競馬産業に対する責任を引き継いでも、競馬産業全体の徹底的な改革がなければ意味のないものとなるだろうと、裁決は付け足した。Mipaafは現在のところ、競馬場との新しい経営契約は6月30日に結ばれると発表している。
Mipaafは、賭事産業から競馬に適切な資金還元が行われるよう計画する一方、競馬産業を持続可能な事業とすることを目指しているので、競馬場、馬主、調教師、生産者および競馬関係者の代表たちは、賞金額と開催日程はさらに削減される見込みである旨Mipaafからはっきりと伝えられている。
安定をもたらす解決策の重要性を強調するため、競馬産業のさまざまな部門が抗議行動を起こすのではないかという話がある。
By Guy Butchers
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[Racing Post 2014年6月6日「Italy still seeking solution to crisis」]