7月18日にホースレーシング・アイルランド(Horse Racing Ireland:HRI)のすべての数字が発表されたが、その中で、2014年上半期のトート・アイルランド社(Tote Ireland)の成功の重要なポイントとして、携帯端末への投資と英国のトート社(Tote)からの追加事業が強調された。
7月17日に今年のアイルランドの賭事プールの利益は昨年の倍の100万ユーロ(約1億3,500万円)に達するだろうと発表されたが、その後、HRIの上半期の統計データは、全体の売上げが11.3%増加したこと、また、場外馬券売上げについては約300万ユーロ(約4億500万円)もの顕著な増加があったことを示した。
トート・アイルランド社のCEOトム・ヒギンズ(Tom Higgins)氏はこれらの数字に感銘を覚えた一方で、課題の多い場内馬券売上げにおいて前年に対して大きな減少が無かったことにも元気づけられた。全体の場内馬券売上げは120万ユーロ(約1億6,200万円)減少したが、トート・アイルランド社の場内馬券売上げは530万ユーロ(約7億1,550万円)の水準を維持している。
ヒギンズ氏は次のように語った。「私たちは、いくつかの事柄に集中して取組み、それらが良くなるように努力しています。ピック6(Pick 6:6重勝馬券)のようなエキゾティック馬券(訳注:2頭以上を対象にした馬券)を購入する本格的な顧客と、気軽な馬券の購入者にもより一層重点を置いています」。
「場内馬券売上げは全体的に横ばい状態ですが、実際のところ堅調と言って良く、携帯端末への多額投資で場内馬券市場におけるトート社のシェアは増加しました。私たちは人々にトート社の賭事を提供し、そのおかげで場内馬券売上げは健闘しています」。
アイルランドの賭事売上げの大幅増加は、現在素晴らしい成果を生んでいる英国のトート社の追加事業、すなわち昨年8月のイスラエルの参加に大きく依存している、とヒギンズ氏は語った。
そして、「会員制賭事でも成長が見られています。私たちのコストベースは良い状態ですので、ビジネス計画を展開させることに重点を置くことができます」と付言した。
HRIのCEOブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)氏は、場内馬券売上げは競馬賭事産業にとって依然として今後の課題であるが、その減少を止める前向きな一歩は平均入場者数が約6%増加したことであり、これは場内の発走直前オッズで馬券を提供するベッティングショップの売上げが8%増加するのに寄与したと述べた。
そして、入場者数について次のように語った。「競馬場は観客へより良いものを提供するために懸命に取り組み、より多くの人々が競馬場に来場、再来場するよう積極的に推進してきました」。
「パンチェスタウン開催、フェアリーハウス・イースター開催および愛ダービー開催などの主要競馬フェスティバルは全て、昨年に比べて入場者数を増やしています」。
昨年のこの時期に苦戦した他の分野も、ほぼ安定した279万ユーロ(約3億7,665万円)のスポンサー料と新規馬主登録数の約10%増加で危機を脱している。
もっとも、現役馬の数と競馬に活動的な馬主の数は、約6%減少している。
By Jessica Lamb
(1ユーロ=約135円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.44「イスラエルで英国とアイルランドの競馬賭事提供が開始される(イスラエル)」
[Racing Post 2014年7月19日「Tote Ireland boost as turnover rises 11.3%」]