海外競馬ニュース 2014年08月28日 - No.34 - 2
凱旋門賞有力馬シーザムーン、多数のオファーも売却されず(ドイツ)[その他]

 今年の独ダービー(G1)ではシーザムーン(Sea The Moon)が11馬身差でラッキーライオン(Lucky Lion)を破り優勝したが、7月27日にミュンヘンのG1でラッキーライオンが優良古馬ノーブルミッション(Noble Mission)を負かしたことで、シーザムーンの独ダービー優勝に箔がついた。そのシーザムーンには高額のオファーが押し寄せていたが、売却されることはないと馬主は報じた。

 このシーザスターズ(Sea The Stars)産駒は、コーラル社(Coral)の凱旋門賞(G1)のオッズでタグルーダ(Taghrooda)と同じ4-1(5倍)の一番人気であるが、パディパワー社(Paddy Power)のオッズでは6-1(7倍)である。同馬は凱旋門賞のステップ競走として9月7日のバーデン大賞(G1)を使う予定である。

 マルクス・クルーク(Markus Klug)調教師が管理するシーザムーンは独ダービーでラッキーライオンをあっさりと破り勝利を手に入れたことで一躍有名になった。ラッキーライオンはその後ダルマイヤー大賞(G1)で、ノーブルミッションを相手に1/2馬身差をつけ素晴らしい勝利を挙げた。

 シーザムーンのオーナーブリーダーであるゲルスドルフ牧場(Gestut Gorlsdorf)のニコ・ラフレンツ(Niko Lafrenz)氏は、次のように語った。「英国、アイルランド、オーストラリア、日本およびカタールなどから多くのオファーがあり、非常に高額な価格も提示されていました。しかし、シーザムーンは売却しないというのが一族全体の満場一致の決定であることを再度強調したいと思います」。

 同氏は、シュポルトヴェルト紙(SportWelt)のインタビューで、独ダービーでシーザムーンへの騎乗をクリストフ・スミヨン(Christophe Soumillon)騎手に明け渡したクルーク厩舎所属のアンドレアス・ヘルフェンバイン(Andreas Helfenbein)騎手が再び騎乗するかどうかについてはまだ決定していないと付け足した。

 大手ブックメーカーの中で、タグルーダには一番低いオッズ3-1(4倍)、英ダービー馬オーストラリア(Australia)には一番高いオッズ8-1(9倍)を付けているラドブロークス社(Ladbrokes)は、シーザムーンのオッズを5-1(6倍)としている。

 ラドブロークス社のスポークスマンのデヴィッド・ウィリアムズ(David Williams)氏は次のように説明した。「タグルーダのキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)の優勝は、今年見た中で最も印象的な1マイル1/2(約2400m)のパフォーマンスであったと考えており、同馬の関係者は皆、ロンシャン競馬場での出走が計画の中心であることを示しています」。

 「オーストラリアは、次は1マイル1/4(約2000m)のレースを使うようで、これが同馬にとって最適な距離であるようです。10月のパリの馬場は常に傷んでおり、同馬の関係者はそれを避けたいと言っていました。私たちがオーストラリアに高いオッズを付けた大きな理由はそれです」。
訳注:オーストラリアは8月20日にヨーク競馬場で、インターナショナルS(G1 約2092m)を2馬身差で優勝した

By Jon Lees and David Conolly-Smith

[Racing Post 2014年7月29日「German Arc fancy Moon not for sale」]