2013年4月に500万豪ドル(約4億5,000万円)で購買されオーストラリアの最も高額な1歳馬となったブラックキャビア(Black Caviar)の半弟は、毒蜘蛛ホワイトテールドスパイダーに噛まれて以来2ヵ月間生死をさまよう闘病生活を送った末に死亡した。
ジミー(Jimmy)という名のこのリダウツチョイス(Redoute’s Choice)産駒は、腫れ上がった肢を治療するために使用された抗生物質にアレルギー反応を起こし、蹄葉炎を悪化させた。
この馬の管理を行っていたセリ会社のイングリス社(William Inglis and Son)のマーク・ウェブスター(Mark Webster)社長は、ブログにおいて次のように同馬の死を発表した。
「本日午前11時ごろ、ジミーとして知られている2歳牡馬(父リダウツチョイス、母ヘルシンジ)は、ヴィクトリア州ウェリビーにあるメルボルン大学獣医病院で安楽死措置が採られました。ジミーは苦痛が伴い馬の歩行を難しくする蹄葉炎に罹っていました」。
BC3サラブレッド社(BC3 Thoroughbreds 以下BC3)は記録的な価格で同馬を落札したが、現在イングリス社のプライベートセールに上場されている他馬とあわせてその購買に支払いを行っていない。他のBC3の購買馬は1月にゴールドコーストで開催されるマジックミリオンズ社(Magic Millions)のセリで再上場されるだろう。
ウェブスター社長は「関係者全員にとって大変悲しい結果となりました」と述べた。
イングリス社は、12月BC3が管財人の管理下に入ったことを受けて、BC3の元会長のビル・ヴラホス(Bill Vlahos)氏の私有地から8頭の馬を移動させた。また、ヴラホス氏はこれとは別に数百万豪ドルを損失したとし高額賭事クラブから提訴されているが、現在破産申請中である。
ウェブスター氏は、これまでBC3は立派な顧客であり、支払い期限を守っていたと語った。2012年のイースターセールでBC3はブラックキャビアの半妹ベルクチュール(Belle Couture)を260万豪ドル(約2億3,400万円)で購買したが、現在ダニー・オブライエン(Danny O’Brien)調教師が管理する同馬の所有権はもう有していない。また、同馬は8日前に満を持してベンディゴ競馬場でデビューしたが、2着に終わった。
ブラックキャビアは4月に、25戦25勝のうちG1競走15勝という輝かしい競走生活を終えて引退した。同馬の半弟オールトゥーハード(All Too Hard 父カジノプリンス)は2013年にG1競走を3勝している。
By Graham Green
(1豪ドル=約90円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.18「ブラックキャビアの半弟に最高落札額(オーストラリア)」
[Racing Post 2013年12月30日「Black Caviar’s half-brother loses battle against illness」]