フランスギャロ(France Galop)は、10月5日の凱旋門賞開催日に、同じ座席番号の複製チケットが競馬場内で見つかる事例が発生したことを受けて、発券業務上の問題を調査している。
ニューマーケットの調教師であるジュリア・フィールデン(Julia Feilden)氏はこの10年、凱旋門賞の観戦ツアーを企画してきたが、今年の凱旋門賞開催日では、彼女に配布されたチケット35枚(1枚130ユーロ(約1万8,200円))と同じ座席番号のチケットを持つ人がさらに各1名ずつ現れた。
フィールデン氏は、「これまでフランスギャロの発券業務に問題はありませんでしたが、現在では、発券業務は外部業者に委託されています。最初にチケットを申し込んだのは7月ですが、受け取ったのは凱旋門賞の約1週間前でした」と語った。
そして次のように続けた。「各自来場してそれぞれの席に座ったのですが、その後で他の人々が同じ席番のチケットを持って現れ、そこには私の名前が記されていました。私だけでなく、他にも苦情を言う人々が窓口で列を作っていました」。
パリを拠点とする発券業務の専門会社イーフォースポーツ社(eForSports)が、フランスの主要競馬開催日のチケットのオンライン注文受付と発券業務を請け負っている。
フランスギャロのコミュニケーション担当理事であるジャン-クリストフ・ジレッタ(Jean-Christophe Giletta)氏は、日曜午後にこの問題が発覚し、緊急調査を開始したと語った。
ジレッタ氏は次のように語った。「午後3時ごろにこの問題について知らされました。職員を派遣し、一部のチケットが数回コピーされていたことが判明しました。私たちのシステムでは、ここで起きたように同じバーコードのチケットを複数枚発行することは不可能です」。
「顧客は正直そうに見えますので、誰がチケットをコピーしたのか突き止めようとしているところです。チケットには“ジュリア・フィールデン”と印刷されていましたが、巻き込まれた人々はそれらを代理店で購入しました」。
「私の職務代理者は、いずれの場合も顧客が予約しているのと同じグランドスタンドに席を見つけることができたと話していました」。
通常同じバーコードのチケットを持って2番目に入場しようとすれば、ロンシャン競馬場への入場は許可されないが、全てのチケットが適切にチェックされなかったという技術的な問題が生じていたようである。
ジレッタ氏は次のように説明した。「10月5日の午後1時〜2時に無線LANがつながらなくなりました。チケットはチェックされていましたが、スキャナーが中央システムにつながらなくなったので、その間、複製チケットをはじくことができませんでした。巻き込まれた顧客はこのシステム障害の間に入場したと推測しています」。
他の英国居住の顧客への問題は早くも土曜日に発生しており、レーシングパートナーシップ(Racing Partnership)のトニー・ピラー(Tony Pillar)氏は、顧客に誤ったチケットが渡された件について報告している。
ピラー氏は次のように語った。「100人以上の顧客を連れて行き、そのうち90%が土日とも観戦しました。『ウィークエンド』と記されたチケットを持つ人もいれば、『100%ウィークエンド』と記されたチケットを持つ人もいました。また、何人かは支払いに相当するチケットを渡されませんでした」。
By Scott Burton
[Racing Post 2014年10月10日「France Galop launches Arc tickets inquiry」]