ウェザビーズ社(Weatherbys)は、英国とアイルランドの産駒数がそれぞれ2008年と2007年以来久しぶりに前年比で増加したと発表した。
すなわち2013年12月31日時点で、英国の産駒数は2012年の4,366頭から4,420頭に増加し、アイルランドの産駒数は7,546頭から7,757頭に大きく増加した。
これらの数字は、9月30日の報告締切後も見込み通りに推移したが、ウェザビーズ社の執行役員であるポール・グリーヴス(Paul Greeves)氏はその時点で次のように語っていた。「産駒数が安定する兆しが見られます。さらに減少することはないと考えさせられますが、年末の数字が鍵となります」。
「昨年の数字を上回るかもしれませんが、大幅な増加ではないでしょう」。
そして今回の最新の産駒数発表後に、グリーヴス氏は次のように語った。「底を打って安定していることは朗報です」。
「産駒数が減り続ければ現役競走馬数に問題が生じることになりますが、ひとまず安定に転じており今後2〜3年で少し増加する順調な回復の兆しがみえます」。
「誰も減少傾向に後戻りすることなど望んでおらず、そしてまた“後戻りさせるべきではない”というのがコンセンサスです」。
産駒数増加は、英国とアイルランドで続く現役繁殖牝馬数の減少傾向と同時に見られる推移である。グリーヴス氏は、繁殖牝馬の質が向上した印であると述べた。
さらに、アイルランドでは新規繁殖牝馬登録数が3年連続で増加し、英国では引退あるいは死亡した繁殖牝馬数の大幅減少が見られた。
これら最新の数字は今後に望みを与える解釈に役立つかもしれないが、依然として心配の種はあるとグリーヴス氏は付け足した。
そして、「競馬産業の観点から見て心配の種となる数字としては、障害馬の産駒数があります」と述べた。
英国で平地競走用の産駒の割合が5年連続で増加している一方、障害競走用産駒はわずかに減少している。障害競走において産駒の誕生と厩舎入りには大きなタイムラグがあり、このことは問題が今後さらに顕在化し得ることを意味している。
2007年〜2013年 英国・アイルランドの産駒数 | ||
年 | 英 国 | アイルランド |
2007 | 5,839頭 | 12,633頭 |
2008 | 5,920頭 | 12,419頭 |
2009 | 5,595頭 | 10,167頭 |
2010 | 4,665頭 | 7,588頭 |
2011 | 4,635頭 | 7,550頭 |
2012 | 4,366頭 | 7,546頭 |
2013 | 4,420頭 | 7,757頭 |
各年の12月31日の数字
2010年〜2013年 英国・アイルランドの現役繁殖牝馬数 | ||
年 | 英 国 | アイルランド |
2010 | 9,826頭 | 15,345頭 |
2011 | 9,317頭 | 13,763頭 |
2012 | 8,766頭 | 12,952頭 |
2013 | 8,464頭 | 12,643頭 |
By Katherine Fidler
[Racing Post 2014年2月15日「Foal numbers show first increases for six years」]