FEI(国際馬術連盟)は3月12日、アラブ首長国連邦(UAE)主催のエンデュランスレースに懸念が生じたことを受け、UAE馬術連盟のエンデュランス競技への出場を無期限で停止すると発表した。(訳注:エンデュランスは“馬のマラソン”ともいわれる競技である。UAEでは王族が出場するほどの人気があり、砂漠において120km以上の長距離を走る。)
FEIは、エンデュランス競技中の“馬の福祉”に関する調査を実施し、この処分を次のように発表した。「UAE馬術連盟は出場停止の期間中、FEIが主催するすべての総会や会議に参加できず、国際大会を運営することもできない。また、UAE馬術連盟のメンバーは、どのような国際大会にも出場できない。ただし、エンデュランス競技以外の選手が、UAE外の国際大会に出場することは認める」。
レース中に3頭の馬が死亡したとの報告を受け、FEIは今年に入ってからUAE馬術連盟主催の2つのエンデュランス競技を中止した。FEIは、UAE馬術連盟が実際には未開催のレースを施行したかのように偽り、FEIに報告していたのではないかとの嫌疑についても調べている。
FEIのイングマー・デ・ボス(Ingmar de Vos)会長は、「UAE馬術連盟に対して科した処分を、軽視するべきではありません。他に改善策が見つからない場合は、そうせざるを得ません。残念ながら、これが残された唯一の選択肢でした」と語った。
そして、「UAE馬術連盟がFEIとすべての利害関係者に対し、『馬の福祉を守り、FEIのルールを完全に順守する』ために必要な措置の実施を誓約したとき、この参加停止処分は解除されるでしょう」と付け加えた。
UAEの首相であり、ゴドルフィンの国際的な競馬・生産事業を統率するモハメド殿下(Sheikh Mohammed)は、UAE馬術連盟のエンデュランス競技に深く関与している。
By DRF Staff
[Daily Racing Form 2015年3月12日「United Arab Emirates banned from endurance races」]