6月1日、英国の障害競馬は、平地競馬場で採用されている方法で競走距離を測定し直し、新たな時代をスタートさせた。この距離変更の影響を受けるのは、6月2日の競馬開催からである。
BHA(英国競馬統轄機構)と競馬場協会(Racecourse Association)の共同プロジェクトを受け、今後すべての障害レースでは、ヤード法で正確に測った新しい“基準”距離と併せて、半ハロン未満を四捨五入した従来の距離表示が公表される。
以前、障害競馬場の距離は、コースの真ん中を測定ホイールで計測していた。しかし、新制度では、内埒から2ヤード(約1.8 m)離れた線に沿って専門家がレーザー光線と最新技術を用いて測定し、ヤード未満は四捨五入した。
ウェザビー競馬場の12の競走距離のうち、4つが5年以上にわたって正確でなかったことが、昨年11月に判明したことによってこのプロジェクトが進められた。6月2日に、新ルールの下で、障害レースを施行するアスコット、サンダウン、サウスウェルを含む11競馬場は、スタート地点を移動させられないことから、2マイル(約3,220 m)に満たないレースの施行が特別に認められる。
以前、ノッティンガム競馬場のチェイスおよびハードル競走の1周の距離は2マイル(約3,220 m)とされていた。しかし、今後は1マイル7ハロン153ヤード(約3,155m)として競走が施行されることになる。なお、正確な距離はレーシングプログラムに記載される。
サウスウェル競馬場は、日没のために直近の競馬運営が台無しになったことを受け、再発防止のために、6月2日と9日のレース発走時刻を1時間ずつ繰り上げた。同競馬場の馬場取締委員であるロデリック・ダンカン(Roderick Duncan)氏は、「障害の設置により、スタート地点を移動させることは不可能ですので、2マイル(約3,220 m)未満のレースを施行します」と語った。
ウェザビー競馬場は、昨年11月に距離を測定し直したが、詳細は発表されていない。これは、平地競走開催の最終日(7月21日)の後にコースの再調整が検討されており、必要がある場合は、再度測定が実施されるからである。
By Graham Green
[Racing Post 2015年6月1日「Jump racing set to enter new era of remeasured distances at Southwell」]