タタソールズ社(Tattersalls)は、ブライトウェルズ社との合意を受け、ブライトウェルズブラッドストックセールズ社(Brightwells Bloodstock Sales)を購買する。
ブライトウェルズ社は、2008年からチェルトナム競馬場で障害馬のセリを開催してきた。タタソールズ社は、これまで英国で障害馬のセリを開催したことはないが、この購買により、新たな市場への参入に大きな一歩を踏み出すことになる。
ヘレフォードシャーに拠点を置くオークション会社ブライトウェルズ社は、1990年からアスコット競馬場でもサラブレッドのセリを開催している。過去2年間の売上げは、以下のとおりである。
セリ開催地 | 2013年 | 2014年 |
チェルトナム競馬場 | 1,160万ポンド(約22億400万円) | 1,230万ポンド(約23億3,700万円) |
アスコット競馬場 | 150万ポンド(約2億8,500万円) | 220万ポンド(約4億1,800万円) |
リチャード・タタソール(Richard Tattersall)氏が1766年に創立したタタソールズ社は、2014年にニューマーケットの本部で過去最高の263,411,173ギニー(約525億5,053万円)を売上げた。その看板セールである10月1歳セール(ブック1)では、79,274,000ギニー(約158億1,516万円)を売上げた。
歴史あるタタソールズ社の子会社タタソールズ・アイルランド社は、6月下旬にフェアリーハウス競馬場で、毎年恒例の障害馬のセリ“ナショナルハント・ダービーセール”を開催した。
両社は共同声明において、「今後、ブライトウェルズ社のサラブレッドチームは、タタソールズ社の社員に加わることになる」と述べた。
タタソールズ社のエドモンド・マホニー(Edmond Mahony)会長は、次のように語った。「タタソールズ社は、近年セリで成功を収めているブライトウェルズ社と合意したことに満足しています。私たちは引き続きセリを発展させ、英国の障害馬市場における売り手と買い手の選択肢を広げたいと思っています」。
「タタソールズ社にとって素晴らしい業務拡大であり、チェルトナム競馬場とアスコット競馬場で、ブライトウェルズ社からの経営チームと一緒にセリを開催することを大変楽しみにしています」。
1846年創立のブライトウェルズ社は、スポーツホースやポニー、自動車、機械、絵画、家畜、土地などのオークションも開催しているが、7月2日の発表は、サラブレッド部門のみに関するものである。
ブライトウェルズ社のアーヴィング・パリー(Irving Parry)会長は、次のように語った。「ブライトウェルズブラッドストックセールズ社は、素晴らしい事業体です。一般の馬のセリ部門と同様に、弊社の歴史で果たしてきた役目を誇りに思います。この事業体の売却により、私たちはすでに築き上げた市場に資源を集中し、新たな市場に発展させることができるでしょう」。
「弊社のサラブレッド事業をタタソールズ社のような企業に売却することで、サラブレッド産業はタタソールズ社が提供可能な新たな投資を利用できるようになり、恩恵を受けるものと確信しています」。
ブライトウェルズ社のセリ出身馬には、エイダン・マーフィー(Aiden Murphy)氏とポール・ニコルス(Paul Nicholls)氏が、過去最高の31万ポンド(約5,890万円)で購買し、記録を打ち立てたファシーノラスティコ(Fascino Rustico)がいる。また、5万ポンド(約950万円)でリチャード・ナイト(Richard Knight)氏とショーン・クイン(Sean Quinn)氏によって購買され、コンヴェントリーS(G2)とモルニー賞(G1)を制したザウォウシグナル(The Wow Signal)も、同社のセリ出身馬である。
2014年に開催されたブライトウェルズ社第1回チェルトナムフェスティバルセールにおける最高価格馬は、J・P・マクマナス(JP McManus)の子息キーラン(Kieran)氏が26万ポンド(約4,940万円)で購買したミネラロッコ(Minella Rocco)であった。
By Bloodstock World Staff
(1ポンド=約190円)
[Racing Post 2015年7月2日「Tattersalls in move to buy Brightwells」]