アメリカンフットボールチームをロサンゼルスに取り戻し、ハリウッドパーク競馬場の跡地をその本拠地にすべく、アーセナルFC(英国)の筆頭株主でもあるスタン・クロエンケ(Stan Kroenke)氏が新たな大規模開発への投資を予定していると、ロサンゼルスタイムズ紙(Los Angeles Times)は伝えた。
ロサンゼルスは米国第二の都市であるが、現在はNFL(全米フットボールリーグ)のチームがない。
クロエンケ氏は数々のスポーツチームを持つ億万長者であり、その1つであるNFLのラムズ(Ramsセントルイス拠点)は1994年にロサンゼルスから移転した。既存の小売店・事務所・ホテル・住宅の開発に加えて、8万席規模のスタジアムと6,000席の多目的ホールを建設する計画について、クロエンケ氏はハリウッドパーク競馬場跡地(カリフォルニア州イングルウッド)の所有者であるストックブリッジキャピタルグループ(Stockbridge Capital Group)と提携した。
1984年に第1回ブリーダーズカップ開催地となったハリウッドパーク競馬場は、その後1987年と1997年にもこの競馬イベントを開催し、数年間将来の見通しが立たなかった末に2013年12月に閉場した。
同場は、有名なハリウッドゴールドカップをはじめG1競走11レースを開催し、ハリウッドダービーとアメリカンオークスを目玉とする11月フェスティバルを開催していた。そして閉場1年前には、米国の競馬場としては先駆的な“命名権契約”をベットフェア社(Betfair)と交わした。
ここ数年間で、ロサンゼルスにNFLチームを戻すためのスタジアム建設計画は12件以上あったが、今回のクロエンケ氏の計画は、チームオーナーがスタジアムと駐車場を建設するのに十分な市内の土地をコントロール下に置いた初めてのケースである。
イングルウッド市のジェームズ・バッツ(James Butts)市長は、ロサンゼルスタイムズ紙に次のように語った。「この提案は、公的資金を要求するものでも公的資金が提供されるものでもありません。いま分かっていることは、開発者であるスタン・クロエンケ氏がイングルウッドに投資を行っているということです。彼をここに迎えて嬉しく思っています」。
共同事業者であるハリウッドパークランド社(Hollywood Park Land Co.)の上級役員クリストファー・ミーニー(Christopher Meany)氏は、次のように語った。「アメフトチームの本拠地としては最高のロケーションです。これに匹敵する場所はないでしょう」。
ラムズは移転計画についてのコメントを控えたが、チームの経営陣がNFLの基準では時代遅れのエドワードジョーンズドーム(Edward Jones Dome)に不満を持っていることは知られている。
なお、クロエンケ一族はラムズとアーセナルFCの筆頭株主であるのに加え、NBA(全米バスケットボール協会)のデンバーナゲッツやNHL(全米ホッケーリーグ)のコロラドアバランチも所有している。
By Graham Green
[Racing Post 2015年1月7日「American football plan for Hollywood Park」]