レッドカーを地盤とするアンナ・ターリー(Anna Turley)下院議員は10月3日、レッドカー競馬場において、製鉄所閉鎖に反対するキャンペーンを行う。
サハビリヤスチール社(SSI)のオーナーたちは、約100年の歴史をもつ製鉄所の生産を中止すると発表した。これにより1,700人分の雇用が失われることとなる。そして、トートプール社2歳トロフィー(L)を目玉とするレッドカー競馬場のシーズン最大の競馬開催に影を落としている。
しかし、レッドカー競馬場はこの決定に対し断固として戦う構えであり、「10月3日は、“我々の製鉄所を守れ(Save Our Steel)”と書かれたTシャツを着用した人の入場料が無料になる」と発表した。
ターリー議員は、5月の総選挙で労働党の議席を獲得し、下院で鉄鋼産業についての議論を先導している。10月3日には、このキャンペーンに因み“我々の製鉄所を守れ・EBF種牡馬未勝利S(Save Our Steel EBF Stallions Maiden Stakes)”と名付けられた第1レースのプレゼンターを務める。
ターリー議員は次のように語った。「どんなことでも役立ちます。人々の意識を高められます」。
「多くのメディアの取材を受けました。政府に圧力をかけ続けられれば、製鉄所がレッドカーにとって、また国の資産として、どれだけ重要であるかを訴えることができます」。
「人々にこのことを知らせ、キャンペーンに参加してもらうために、あらゆる手段を講じたいと思います。私たちは、レッドカーで製鉄所が営まれることを望み、そこでの雇用を必要としているので、戦い続けます」。
「人々はコミュニティー全体に関わる問題であると実感していません。レッドカーは海辺の町であり、他に主要産業がありません。就職機会は限られており、すでに高い失業率に苦しんでいます。現状を考えると、胸が張り裂けそうです」。
レッドカー競馬場のエイミー・フェア(Amy Fair)場長は、製鉄所の操業停止がレッドカーの町とその全ての産業に甚大な悪影響を及ぼすことを認識している。
そして次のように語った。「近年において操業停止となるのは2回目なので、壊滅的です」(訳注:2009年にタタスティール社がレッドカーの鉄鋼工場での生産を中止し、2011年にSSIがこの工場を買収した)。
「前回の操業停止の後に、SSIが参入し、溶鉱炉を再開しました。希望を持っていました」。
「町議会は討議中です。この地域には他に1,700人を雇用できる企業はありません。人々が今後どのように暮らしていくのか見当がつきません。悲惨なことになるでしょう」。
フェア場長は、こうした現状を反映し入場料を意図的に下げても、レッドカー競馬場にとって厳しいことになるだろうと述べた。そして次のように語った。
「レッドカー競馬場はレッドカーの中心に位置し、地元の競馬ファンに熱心にサポートされた地元密着型の競馬場です。私たちも地元の人々と同じように心を痛めています。お金だけの問題ではありません」。
「我々の競馬場は、今でも英国で一番入場料の安い競馬場です。私たちは、状況をよく理解しています。人々には自由に使えるお金がほとんどありません。ただ競馬場に来て楽しんでもらいたいので、7年間入場料を値上げしたことがありません」。
「この近辺の人々とは緊密に接していますが、工場閉鎖にともなう失業者は大勢出るでしょう。レッドカーにとってうんざりするような出来事です。もっと前向きになれるように努めていますが、突然このようなことに巻き込まれた人々に対し、とても同情しています」。
By David Carr
[Racing Post 2015年10月1日「Redcar backs steelworkers」]