トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手は、障害シーズン終了後に騎手を引退する計画を衝撃的な形で発表した。2月7日にニューベリ競馬場でミスターモール(Mr Mole)に騎乗しシーズン200勝目を挙げたときに、これまでリーディングジョッキーに19回輝いた同騎手は引退する意思を明らかにした。
「競馬が楽しいうちに、しかもトップにいるうちに引退したいのです」とマッコイ騎手はチャンネル4(Channel 4)で語った。
不屈の精神と強い忍耐力で知られているマッコイ騎手は、障害競走で前人未到の偉業を成し遂げている。
リーディングジョッキーのタイトルを19回獲得しただけでなく、通算4,000勝以上を挙げ、2010年にBBCの年度代表スポーツ選手に選ばれた唯一の障害騎手である。
その驚異的なキャリアにおいて、大英帝国勲章4等(Officer of the Order of the British Empire: OBE)の受勲をはじめ多くの栄誉を手にし、あらゆる主要な賞を獲得した。そしてミスターマリガン(Mr Mulligan)とシンクロナイズド(Synchronised)でのチェルトナムゴールドカップ優勝やドントプッシュイット(Don't Push It)でのグランドナショナル優勝などで脚光を浴びた。
マッコイ騎手は引退の理由を次のように説明した。「幸運にも過去25年間の人生を競馬界で送ることができました。リーディングジョッキーとして引退したいと思っており、20回はキリの良い数字だと考えました」。
「馬主のJP・マクマナス(JP McManus)氏やエージェントに相談しました。そして皆は正しい選択だと判断し、シーズン200勝を決めたときに発表するのが良いと考えました」。
「重要なことはいつも自分で決断してきました。人生において最高の決断は騎手になることでした。騎乗することとそのスリルが大好きなので、それがなくなると寂しくなるでしょう」。
「両親がどう考えているかは知りませんが、私がリーディングジョッキーとして引退することを望んでいることでしょう」。
マッコイ騎手のシャネル夫人(Chanelle)は次のように語った。「20回目のリーディングジョッキーのタイトルを獲得して、最高の状態で無事に騎手生活を終えることを望んでいます」。
「非常に悩んだ末の決定です。彼はこのことを2週間前に決めましたが、その決意が良かったのか悪かったのか思い悩む日々を過ごしました」。
「重大な決断であり、彼がその結果を受け入れることを望んでいます。私がこの決断を促したことは一度もありません。シーズン終了まではいつも通りの仕事です。これまでどおり騎乗すれば、彼は決して負けないでしょう」。
By Tom Kerr
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2010年No.28「トニー・マッコイ騎手、大英帝国勲章4等を受勲(イギリス)」、
2013年No.51「トニー・マッコイ騎手、障害4000勝を達成(イギリス)」
[Racing Post 2015年2月7日「McCoy stuns racing with retirement plan」]