世界中で活躍したG1馬ファルブラヴが社台ファームでの種牡馬生活から引退した。健康不安のため、2014年は4頭にしか種付けしなかったと伝えられている。
17歳のファルブラヴ(父フェアリーキング)は、2005年にニューマーケットのチェヴァリーパーク牧場(Cheveley Park Stud)で供用された以外は、2004年からずっと社台ファームで種牡馬生活を送っていた。
ファルブラヴは、フランチェスカ牧場(Azienda Agricola Francesca)により生産され、母はスルーピー(Slewpy)の牝馬ギフトオブザナイト(Gift Of The Night)である。最初はイタリアのルチアーノ・ダウリア(Luciano d'Auria)調教師に管理され、3歳のときに伊ダービー(2001年当時はG1)で2着となったが、4歳でさらに進化して共和国大統領賞(G1)とミラノ大賞典(G1)で素晴らしい勝利を挙げた。
そして、シーズン後半にフォワ賞(G2)で3着、凱旋門賞(G1)で9着となった後、ジャパンカップ(G1)でサラファンとシンボリクリスエスに痛い敗北を味あわせた。
吉田照哉氏は5歳シーズンが始まる前にファルブラヴの所有権を買い入れ、ルカ・クマーニ(Luca Cumani)調教師のもとに預けた。同馬はイスパーン賞(G1)、エクリプスS(G1)、インターナショナルS(G1)、クイーンエリザベス2世S(G1)、香港カップ(G1)を制し、素晴らしいシーズンを謳歌した。
ファルブラヴはそのシーズンにガネー賞(G1)で3着、愛チャンピオンS(G1)で2着となった。またBCターフ(G1)で同着優勝となったハイシャパラル(High Chaparral)とジョハー(Johar)の僅差3着となったことは記憶に残る。
ファルブラヴは種牡馬としてはあまり成功せず、産駒の中で最高のレーシングポストレーティング(RPR)が付いたのは、サマーマイルS(G2)勝馬のファヌナルター(Fanunalter)と豪州のG2勝馬フラヴァシ(Fravash)である。
日本で最も活躍した産駒は以下の3頭で、これらの馬はすべて百万ポンド(1億8,500万円)以上の賞金を獲得した。
・エーシンヴァーゴウ...セントウルS(G2)・アイビスサマーダッシュ(G3)優勝
・アイムユアーズ ...フィリーズレビュー(G2)・ファンタジーS(G3)優勝、クイーンS(G3)2勝
・ワンカラット ...フィリーズレビュー(G2)・函館スプリントS(G3)・キーンランドカップ(G3)・オーシャンS(G3)優勝
ファルブラヴはブルードメアサイアーとして成功した。同馬の牝馬ヒストリックスターは2014年桜花賞(G1)優勝馬で凱旋門賞(G1)6着のハープスターを誕生させ、別の牝馬はソラリオS(G3)勝馬アクタバンタイ(Aktabantay)を誕生させた。
By Bloodstock World Staff
(1ポンド=約185円)
[Racing Post 2015年2月21日「Falbrav retired from stud duty at Shadai Farm」]