“競馬の声(Voice of Racing)”として知られた競馬解説者ピーター・オサリヴァン卿(Sir Peter O’Sullevan)の生涯にわたる競馬への献身は、その死後も続いた。慈善団体やJP・マクマナス(JP McManus)氏、レスター・ピゴット(Lester Piggott)氏などの親しかった競馬界の友人に890万ポンド(約15億5,750万円)もの財産を遺贈したのだ。
2015年7月に亡くなったオサリヴァン卿は、慈善団体へ多額の財政的援助を行い、またピゴット氏とその妻にはロイヤルアカデミーの画家ジョン・スキーピング(John Skeaping)作の絵画“決勝線(The Finish)”を、さらにマクマナス氏には高級腕時計(パテックフィリップ)を遺した。そして、葬儀で感動的な弔辞を述べたスポーツライターのヒュー・マクイルヴァニー(Hugh McIlvanney)氏にはグレーハウンドの彫刻を遺した。なお、オサリヴァン卿には子供がいなかった。
1996年の設立以来、400万ポンド(約7億円)以上の募金を集めているサー・ピーター・オサリヴァン慈善信託(Sir Peter O’Sullevan Charitable Trust)の理事たちは、この思いがけない大きな収入の最善の分配方法を話し合うために、1月に会合を行う。
この慈善信託は通常、毎年の授賞午餐会とクリスマスカード販売から募金を集め、ブルークロス(Blue Cross)、ザ・ブルック(The Brooke)、コンパッション・イン・ワールド・ファーミング(Compassion in World Farming)、世界馬福祉協会(World Horse Welfare)、競馬福祉機構(Racing Welfare)、競走馬リハビリセンター(Thoroughbred Rehabilitation Centre)を支援している。
By Graham Green
(1ポンド=約175円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2015年No.22「トニー・マッコイ氏、慈善信託の理事に就任(イギリス)」、
No.32「伝説の競馬解説者ピーター・オサリヴァン卿が死去(イギリス)」
[Racing Post 2015年12月21日「O’Sullevan leaves £8.9m to charities and friends」]