37年ぶりの三冠馬アメリカンファラオ(American Pharoah)は1月16日夜、第45回エクリプス賞授賞式(ガルフストリームパーク競馬場)において、2015年の年度代表馬に選出された。史上2頭目の満場一致で決定された年度代表馬となった。
ザヤット一族(Zayat family)が所有するアメリカンファラオは、三冠達成(ケンタッキーダービー・プリークネスS・ベルモントS優勝)に加え、BCクラシック(G1)を制し、競馬界のグランドスラム(完全優勝)を達成した。そして、投票権を有するデイリーレーシングフォーム紙、全米競馬記者協会(National Turf Writers and Broadcasters Association)、NTRA(全米サラブレッド競馬協会)の代表者から全ての票(261票)を獲得し、1981年のジョンヘンリー(John Henry)に続く満場一致での年度代表馬となった。
現在引退しているアメリカンファラオは、最優秀3歳牡馬にも満場一致で選出された。同馬の関係者では、ボブ・バファート(Bob Baffert)調教師が最優秀調教師に、ザヤット一族が最優秀馬主および最優秀生産者に選ばれた。
アフメド・ザヤット(Ahmed Zayat)氏は次のように語った。「三冠馬の馬主であり生産者であることは、"競馬界の顔"になり得ますので、大きな責任を感じています。でも、顔になるのは我々一族でもバファート一族でもなく、アメリカンファラオです」。
最優秀騎手に選ばれたのは、ハビエル・カステリャーノ(Javier Castellano)騎手である。同騎手は、アメリカンファラオが衝撃的な敗北を喫したトラヴァースS(G1)をキーンアイス(Keen Ice)に騎乗して制したほか、ストップチャージングマリア(Stopchargingmaria)に騎乗してBCディスタフ(G1)を制した。
一流牝馬ビーホルダー(Beholder)は最優秀ダート牝馬に選出された。一方、調教師となって1年目のマリア・ボレル(Maria Borell)氏に夢のようなブリーダーズカップでの勝利をもたらしたランハッピー(Runhappy)は、最優秀短距離牡馬に選ばれた。なお、このおとぎ話は、馬主がその後ランハッピーをボレル厩舎から転厩させたことで後味の悪いものとなった。
2015年エクリプス賞受賞馬/受賞者
年度代表馬:アメリカンファラオ
最優秀3歳牡馬:アメリカンファラオ
最優秀3歳牝馬:ステラウィンド(Stellar Wind)
最優秀2歳牡馬:ナイキスト(Nyquist)
最優秀2歳牝馬:ソングバード(Songbird)
最優秀ダート牡馬:オナーコード(Honor Code)
最優秀ダート牝馬:ビーホルダー
最優秀芝牡馬:ビッグブルーキトゥン(Big Blue Kitten)
最優秀芝牝馬:テピン(Tepin)
最優秀短距離牡馬:ランハッピー
最優秀短距離牝馬:ラベルダ(La Verdad)
最優秀障害馬:ダワラン(Dawalan)
最優秀騎手:ハビエル・カステリャーノ氏
最優秀調教師:ボブ・バファート氏
最優秀馬主:ザヤットステーブル(Zayat Stables)
最優秀生産者:ザヤットステーブル
最優秀見習い騎手:タイラー・ガファリオン(Tyler Gaffalione)氏
By James Burn and Nicholas Godfrey
[Racing Post 2016年1月17日「Eclipse clean sweep for American Pharoah」]