クールモア牧場の驚異的な種牡馬ガリレオ(Galileo)は、アイルランド・サラブレッド生産者協会(Irish Thoroughbred Breeders’ Association: ITBA)の殿堂入りを果たした。1月23日にヘリテージゴルフ&スパリゾート(リーシュ州キレナード)で開催された年次授賞式で、同馬の数々の偉業が称えられた。
ガリレオは昨年、ドバウィ(Dubawi)と接戦を繰り広げた末、7度目(2010年から6年連続)のリーディングサイアーに輝いた。
18歳のガリレオ(父サドラーズウェルズ)は、10頭のG1勝利産駒を出している。愛2000ギニー(G1)と英2000ギニー(G1)を制したマイル馬グレンイーグルス(Gleneagles)はその中の1頭であり、2016年に父と同じクールモア牧場で種牡馬生活を開始する。
G1優勝を果たしたガリレオ産駒には、他にファウンド(Found)、マインディング(Minding)、オーダーオブセントジョージ(Order Of St George)がいる。これらの馬も各部門で表彰された。
オーダーオブセントジョージは愛セントレジャー(G1 カラ競馬場)を11馬身差で圧勝し、ガリレオ産駒のG1・50勝目を達成した。
ガリレオ産駒は競馬場で数々の快挙を果たしているので、セリにおいても高い需要を保ち続けている。昨年のタタソールズ社10月1歳セール・ブック1で、高額価格馬上位6頭のうち4頭はガリレオ産駒であり、これらの馬の価格は全て7桁(百万ギニー)以上となった。このセリには計17頭のガリレオ産駒が上場されたが、その平均価格は54万5,882ギニー(約9,744万円)であった。
ガイ・オカラハン(Gay O’Callaghan)氏は功労賞を受賞した。年次授賞式には400人以上が出席し、農業食料省のトム・ヘイズ(Tom Hayes)大臣も来賓として臨席した。
オカラハン氏は、1981年にキルデア州のヨーマンズタウンスタッド(Yeomanstown Stud)を購買した。そして、センセーショナルな種牡馬ダークエンジェル(Dark Angel)をはじめとする厳選された種牡馬群を供用している。
ダークエンジェル(父アクラメーション)は2015年、多くの産駒がレースで才能を発揮したおかげで、ずっと紙面を飾ることになった。それらの産駒には、ナンソープS優勝馬メッカズエンジェル(Mecca’s Angel)、ログアウトアイランド(Log Out Island)、ソブリンデット(Sovereign Debt)が含まれ、いずれもヨーマンズタウンスタッドで生産された。
特別賞は、300エーカーのオグヒルハウススタッド(Oghill House Stud キルデア州)を運営するパット&ヒュー・ハイランド(Pat and Hugh Hyland)兄弟をはじめとするハイランドファミリーに贈られた。
昨年活躍したオグヒルハウススタッドの生産馬には、ウィンザーキャッスルS優勝馬ワシントンディーシー(Washington DC)がいる。同馬はクリス・マクヘイル氏(Chris McHale)と共同で生産された。
2015年アイルランド・サラブレッド生産者協会 受賞馬・受賞者
殿堂入り:ガリレオ
功労賞:ガイ・オカラハン
特別賞:ハイランドファミリー
ワイルドギース賞:ジョン・トロイ(John Troy)氏
(訳注:ワイルドギース賞は2003年に設けられた海外で活躍するアイルランド生産者に贈られる賞。2013年にはパカパカファームのハリー・スイニー氏が受賞)。
最優秀古馬:フリーイーグル(モイグレアスタッド生産)
最優秀繁殖牝馬:ボビングバック(Bobbing Back)(エイダン・アハーン氏生産)
最優秀3歳牡馬:オーダーオブセントジョージ(パジェットブラッドストック社生産)
最優秀3歳牝馬:ファウンド(ロンコン氏・ワイナット氏・チェルストン氏生産)
最優秀2歳牡馬:シャラー(Shalaa モギーリースタッド生産)
最優秀2歳牝馬:マインディング(オーペンデール氏・チェルストン氏・ワイナット氏生産)
最優秀チェイス障害馬:ロードトゥリッチーズ(Road To Riches)(サニーヒルスタッド生産)
最優秀ハードル障害馬:フォーヒーン(Faugheen)(ジョン・ウォルドロン博士生産)
最優秀障害若馬:ムーンレーサー(Moon Racer デニス&テレサ・バージン夫妻)
最優秀障害牝馬:グレンズメロディー(Glens Melody フィオナ・マクステイ氏生産)
By Tom Pennington
(1ポンド=約170円)
[Racing Post 2016年1月24日「Galileo inducted into ITBA hall of fame」]