海外競馬ニュース 2017年03月30日 - No.13 - 2
カリフォルニアクローム、チリにシャトル予定(アメリカ)[生産]

 北米年度代表馬に2度輝いたカリフォルニアクローム(California Chrome)は、今後3年間の南半球繁殖シーズンに、ウサマ・アブガザレ(Oussama Aboughazale)氏のスマヤスタッド(Sumaya Stud チリ・サンティアゴ近郊)にシャトルされると、テイラーメイドファーム(Taylor Made Farm)とスマヤスタッドが発表した。

 テイラーメイドファームの会長兼CEOのダンカン・テイラー(Duncan Taylor)氏はこう語った。「カリフォルニアクロームは南半球で高い関心を集めており、私たちはシャトルすることに同意しました。スマヤスタッドと提携することにとても満足しており、カリフォルニアクロームにとって好条件が整っているので大変安心しています。これは軽々しい気持ちで下した決定ではありません」。

 「ベン(・テイラー)と一緒に出張して、いくつかの候補牧場を視察しました。幅広く精査を行い、私たちの顧問チームと支援者が定めた高水準の条件を満たすかどうかを評価しました」。

 「結局のところ、カリフォルニアクロームの健康・安全面や、施設の質、スタッフの経験、牧場の評判といった点で、スマヤスタッドはすべて最高でした」。

チリのサリバンブラッドストック社(Sullivan Bloodstock)がテイラーメイドブラッドストック社(Taylor Made Bloodstock)とともに、この契約を仲介した。

 ダンカン・テイラー氏の息子マーシャル氏はチリで勤務中の8ヵ月の間、サリバンブラッドストック社のパートナーであるフアン・パブロ・サリバン(Juan Pablo Sullivan)氏およびクリスティアン・ベナベンテ(Christian Benavente)氏と会合を重ねた。同時に、カリフォルニアクロームが種牡馬として成功するためのチャンスを探った。

 ダンカン・テイラー氏はこう語った。「チリは南米のサラブレッド生産の中心地になっていると思います。最高級の繁殖牝馬を所有する億万長者が4~5人おり、彼らは多くの牝馬をカリフォルニアクロームの元に送るでしょう。生産事業は以前よりもずっとグローバル化しており、私たちはこの契約がカリフォルニアクロームに最高のチャンスをもたらすと信じています」。

 カリフォルニアクロームがスマヤスタッドで供用されている期間は、テイラーメイドファームの職員が付き添う予定である。ルード&リドル馬診療所(Rood & Riddle Equine Hospital)のチャーリー・スコギン(Charlie Scoggin)獣医博士とロルフ・エンバートソン(Rolf Embertson)獣医博士が手順を定め、カロリーナ・ロハス(Carolina Rojas)獣医博士がスマヤスタッドに駐在する獣医師2名に指示を与える。

 現役を引退したばかりのカリフォルニアクロームは、テイラーメイドファーム(ケンタッキー州ニコラスビル)で種牡馬生活2ヵ月目を迎えている。種付料は4万ドル(約440万円)。北米繁殖シーズン終了後、チリに輸送される前に検疫施設に入らなければならない。

 6歳のカリフォルニアクローム(父ラッキープルピット、母ラブザチェイス、母父ノットフォーラブ)は重賞10勝(うち7レースがG1競走)を果たし、北米最高額の賞金1,475万2,650(約16億2,279万円)を獲得して引退した。

 チリに住むアブガザレ氏は、スマヤUSステーブルとして北米で競走馬を所有しながら、インターナショナルエクイティーズホールディング社(International Equities Holding ケンタッキー州パリス近郊)として生産事業を行っている。厩舎とチリの牧場は、同氏の母スマヤにちなんで名付けられている。

 アブガザレファミリーは、チリで生産した果物を世界中に輸出することで財を成し、デルモンテ・フルーツ社(Del Monte Fruit Co.)の青果部門の大株主である。

 アブガザレ氏はまた、重賞4勝のプロトニコ(Protonico)を所有していた。現在同馬はテイラーメイドファームで供用されている。

By Eric Mitchell

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2017年3月16日「California Chrome Will Shuttle to Chile」]