仏1000ギニー(G1)と仏オークス(G1 ディアヌ賞)を制したラクレソニエール(La Cressonniere)は、昨年3歳シーズンの中断の原因となった背中の問題が再発したため、競走生活を引退して繁殖入りする。
アントニオ・カロ(Antonio Caro)氏と共同でラクレソニエールを所有しているジェラール・オーギュスタン-ノルマン(Gerard Augustin-Normand)氏の競馬・生産マネージャーであるシルヴァン・ヴィダル(Sylvain Vidal)氏は、「背中の問題は軽度なものですが、ジャン-クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師が彼女を調教し続けるのは無理です」と語った。
ラクレソニエール(父ルアーヴル)は2歳シーズンで4勝したが、シーズン終盤の大きなレースに出走しなかったことから、スポットライトが当たらなかった。
しかし3歳シーズンでは、リステッド競走3勝目を挙げた後、圧倒的なパフォーマンスで牝馬クラシック2勝を果たした。
ラクレソニエールは凱旋門賞(G1)のステップレースであるノネット賞(G2 ドーヴィル競馬場)を圧勝した後、調教中に脊椎に問題を発症した。しかし、その時は些細なものだと思われたこの問題は、同馬に競走生活を終わらせることを余儀なくさせた。
主戦を務めたクリスチャン・デムーロ騎手は4月22日、ラクレソニエールに敬意を表した。同騎手が初めてラクレソニエールに騎乗したのはオーギュスタン-ノルマン氏と契約する直前だった。
同騎手はこう語った。「ラクレソニエールと一緒にレースで戦い、忘れられない日々を分かち合いました。戦績の中でクラシック2勝が注目されますが、最後のレースとなったノネット賞での彼女の物凄いパフォーマンスが一番心に残っています。彼女は何よりも、レースの最中でも、その前後でも、素晴らしい精神を持っていました。その精神は仔に伝えられることでしょう」。
ヴィダル氏はこう続けた。「非常に残念ですが、彼女は持てる力以上の力を発揮しました。仏1000ギニーと仏オークスを制して、無敗の8勝を誇りました。私たちにこの上ない喜びを与えてくれた素晴らしい牝馬でした」。
ラクレソニエールは生まれ故郷であるコーヴィニエール牧場(Haras de la Cauviniere)に戻り、今シーズンから繁殖生活に入るだろう。
ヴィダル氏はこう付言した。「脊椎にわずかな問題がありますが、繁殖牝馬としての能力には影響しません。まだ4月中旬なので、5月初めに種付けが行われて順調に行けば、来年の4月初旬に出産できるでしょう。馬主たちはどの種牡馬をつけるかまだ決めていません」。
最終的に回避したものの昨年の凱旋門賞で単勝オッズ6-1(7倍)に推されたラクレソニエールの引退は、今シーズンに優良馬を再び出走させることを楽しみにしていたルジェ調教師にとって、さらなる打撃である。
ポーにあるルジェ調教師の厩舎は馬ヘルペスウィルス(EHV-1)に感染している。そこにいるアルマンゾル(Almanzor)とゼルザル(Zelzal)のどちらもひどい症状を見せていないが、いつどこでこれらの馬を再び出走させるかを決定するには、まだ時間を要する。
By Scott Burton
[Racing Post 2017年4月23日「Time called on La Cressonniere's career as back injury resurfaces」]