エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師は7月13日、G1・7勝を達成し、多くの競馬ファンを魅了した美しい牝馬マインディング(Minding)が、怪我のために引退したことを明らかにした。そして同馬を、「今まで管理した最高の牝馬の1頭」と絶賛した。
2歳の時にG1・2勝を果たしたマインディングは、昨年の3歳シーズンで英1000ギニー(G1)、英オークス(G1)、プリティポリーS(G1)、ナッソーS(G1)、クイーンエリザベス2世S(G1)を制し、素晴らしい多才ぶりを見せつけた。
オブライエン調教師はこう語った。「マインディングは驚くべき牝馬で、今まで管理した最高の牝馬の1頭でした。3歳の時に1マイル~1マイル半(約1600m~2400m)の最高峰のレースで走ったわけですから、全く信じられない偉業です。 3歳でG1・5勝を達成するのは本当に凄いことです」。
「見事な馬体と血統を持っていました。とりわけ、チャレンジすることに喜びを感じていて、振る舞いが美しかったゆえに、特別な馬でした。名前にふさわしい素晴らしい馬でした」。
マインディングが今年初戦のムーアズブリッジS(G2 ネース競馬場)をたやすく制してから3ヵ月も経たずして、この引退のニュースが伝えられた。同レースの後、最終的に競走生活を終わらせることになる繋部の怪我を負っていることが判明したのだ。
オブライエン調教師はこう語った。「彼女は繋部に怪我を負いました。獣医師のジョン・ハーレー(John Halley)氏は調教を再開することを承諾しませんでした。現在のところ、今シーズン終了までに彼女を復帰させるのは少し難しいと感じています。そして、厩務員たちは、マインディングはとても大切な馬なので、引退させることが最善策であると決定しました」。
「彼女の復帰には大変長い時間が掛かってしまいます。完璧に回復するでしょうが、今シーズンにおいては時間切れになるだろうと考えました」。
「マインディングは昨年から今年にかけて本当に調子が良かったので、今年も大活躍するだろうと楽しみにしていました。彼女はレースに臨むにあたり独自のペースと熱意を保っていました。残念なことに、そんな彼女の姿を見ることはできませんが、繁殖生活でどのような結果を残すか楽しみです」。
同調教師はこう付言した。「彼女のキャリアには多くの人々が重要な役割を果たしました。彼らがいなければこのような素晴らしいキャリアは築けなかったでしょう。ライアン・ムーア騎手は、3歳シーズンの全レースで 素晴らしい騎乗をしました」。
「シーミー・へファーナン(Seamie Heffernan)騎手は、すべての調教で騎乗するという大役を果たしました。レパーズタウン競馬場でデビュー戦を勝利で飾り、モイグレアS(G1 カラ競馬場)も制しました」。
「これはチームワークの賜物であり、彼女の成功のために関わったすべての人々に感謝したいと思います」。
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マインディングの成績
13戦9勝
G1・7勝
クラシック競走2勝
獲得賞金 234万4,930ポンド(約3億4,001万円)
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By Brian Sheerin
(1ポンド=約145円)
[Racing Post 2017年7月13日「Incredible Minding was one of the best fillies I've trained - O'Brien」]