これほどまで2着馬に差を詰められるとは誰も予期していなかったが、ウィンクス(Winx 父ストリートクライ)はコックスプレート(G1)3連覇を達成した。
単勝1.18倍の1番人気で2040mの最強馬決定戦であるコックスプレート(ムーニーバレー競馬場)に臨んだウィンクスは、馬群中団を走り、残り2ハロン(約400m)で悠々とトップに躍り出た。
しかしウィンクスはその後、ヒュミドール(Humidor)から予期せぬ挑戦を受けた。ヒュミドールは9月にマカイビーディーヴァS(G1)を制していたが、3週間前のターンブルS(G1)ではウィンクスに7馬身以上の差をつけられて3着に敗れていた。
ヒュー・ボウマン騎手はいつも以上にウィンクスを追わなければならなかったが、ヒュミドールに½馬身差をつけて、2分2秒94のレコードタイムでゴールを駆け抜けた。
ウィンクスを管理するクリス・ウォラー(Chris Waller)調教師はレース後、こう語った。「楽な勝利ではありませんでした。ヒュミドールと全力で戦わなければなりませんでした」。
「コックスプレートのようなレースが簡単だと考えたことはありません。実際、このようなレースになると、勝てないような気になります。今日は、とても手ごわいコックスプレートでした」。
この勝利により、ウィンクスの連勝記録は22勝に伸びた。そして、G1勝利数はスプリントの女王ブラックキャビアが打ち立てた豪州記録15勝に並んだ。また獲得賞金は、メルボルンカップ(G1)3勝のマカイビーディーヴァ(Makybe Diva)が打ち立てた豪州賞金記録1,450万豪ドル(約13億500万円)を超え、1,550万豪ドル(約13億9,500万円)以上となった。
ウィンクスは1980年~1982年のキングストンタウン(Kingston Town)に続き、豪州で最も重要な中距離戦コックスプレートを3連覇した2頭目の馬となった。
ウォラー調教師はウィンクスの欧州遠征に強い興味を示している。その舞台は、ロイヤルアスコット開催やヨーク競馬場となる可能性がある。しかし、同調教師はコックスプレートの後、来年初めまで決定を下すことはないだろうと述べ、「ウィンクスが最高の状態にないかぎりは、遠征させません」と語った。
コーフィールドカップ(G1)5着のヒュミドールは、11月7日のメルボルンカップ(G1 3200m)を目指す予定だ。
英国から遠征したフォークスウッド(Folkswood)はヒュミドールの4¼馬身後ろの3着となった。4着はロイヤルシンフォニー(Royal Symphony)、5着はゲイロチョップ(Gailo Chop)、6着はハッピークラッパー(Happy Clapper)、7着はシーバージ(Seaburge)、8着はハーダム(Hardham)。もう1頭の英国からの遠征馬カスペルスキー(Kaspersky)は出走を取り消した。
By Blood-Horse Staff
(1豪ドル=約90円)
[bloodhorse.com 2017年10月28日「Winx Holds Safe in Record Time for Cox Plate Victory」]