マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師(58歳)は、英国競馬史上最多勝調教師の座にさらに近づいた。10月23日にポンテフラクト競馬場において、管理馬ドミネイティング(Dominating)が同調教師にとっての平地競走4,000勝目を挙げたのだ。
ジョンストン調教師は、英国で4,000勝を達成した3人目の調教師となった。障害競走で5勝を挙げているので、合計勝利数は4,005勝に上る。
同調教師は"勝利数による英国歴代調教師ランキング"の第3位となっている。首位のリチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師(父)は、4,193勝(平地4,145勝)を挙げて引退し、第2位のマーティン・パイプ(Martin Pipe)調教師はそれより10勝少ない4,183勝を挙げた。
ドミネイティングのこの勝利は、ジョンストン調教師にとって今年202勝目となった。またP・J・マクドナルド(PJ McDonald)騎手にとっても、これは自身初のシーズン100勝目となる記念碑的な勝利である。
ジョンストン調教師はグラスゴー大学を卒業し獣医師資格を取得している。1987年にリンカーンシャー州ラウスの近くで調教活動を始めた。そしてカーライル競馬場においてヒナリビデオ(Hinari Video)で初勝利を挙げた。
同調教師はこう振り返った。「ほぼどん底の状態から調教活動をスタートしました。預託料をもらって預かっている馬は3頭か4頭でした。しかし、クラシック競走をはじめ多くのレースで優勝するという野心がありました」。
「とても小さい厩舎だったので、このような金字塔を打ち立てるとは夢にも思いませんでした。1年目には1頭、2年目には5頭しか勝ちませんでした」。
これはチームが協力して取り組んだ結果だが、そのチームにはジョンストン調教師の妻ディアドラ(Deirdre)さんの存在が欠かせない。ポンテフラクト競馬場にいた彼女はこう語った。「開業して間もない頃は、経済的に厳しく、私はグリムズビーで教師として働いていました。朝、調教をしてから働きに出かけ、帰ってきてからは厩舎で夜の作業を行いました。マークも獣医師として働いたことがありました」。
「私たちは開業の2年後にミドルハムに移り、そこで、15頭を預託してもらうことができました。それで教師の仕事を止めました。これまで信じられないような道のりを歩んできました。次の4,000勝に向けて乾杯!」。
ジョンストン調教師はそのキャリアにおいて重要な馬について聞かれ、こう答えた。「一番重要と言えるのはシャマルダル(Shamardal)でしょう。預かったのは2歳のときでしたが、これまで管理した中で最高の馬でした」。
「最も自慢できる馬はアトラクション(Attraction)です。多くの人々が彼女に愛想を尽かせたことだろうと思います」。
「理想的な馬格ではなかったことはよく知られています。2歳のときに蹄骨を骨折し、4歳のときに繋靭帯炎を患いました。しかし、私たちは何とか彼女を調教し続けることができました。最も重要なのは統計や記録ではなく馬そのものであることを、彼女は証明しました」。
「1994年の英2000ギニー(G1)を制したミスターベイリーズ(Mister Baileys)も私のキャリアで重要な馬です。私たちはすでに地位を築いていましたが、彼の勝利でもう1つの厩舎を購入できました。65頭を収容できる厩舎を持ったことで、100頭以上を管理できるようになりました。これは大きな一歩でした。私たちはさらに上のレベルに進むことができました」。
ジョンストン調教師は"勝利数による英国歴代調教師ランキング"の上位3人の中で、唯一現役である。2018年のある段階で、首位となるのは間違いない。
今シーズンはP・J・マクドナルド騎手にとっても輝かしいものとなった。同騎手はジョンストン厩舎の馬で多くの勝利を挙げており、G1初勝利を達成してから2週間経たずして自身初の年間100勝を果たした。
マクドナルド騎手はこう語った。「素晴らしい1年でした。騎乗したすべての馬、そして私を信頼して騎乗を任せてくれたすべての調教師に感謝します。この好調を来年もどう持続させるかが問題です」。
By Colin Russell
[Racing Post 2017年10月24日「4,000 Johnston edges ever closer to record as he reaches significant Flat milestone with Dominating」]