1993年~1995年の障害リーディングジョッキー(グランドナショナル2勝)で、現在は勇敢な冒険家であるリチャード・ダンウッディ(Richard Dunwoody)氏(53歳)は、募金活動を理由に2月末に新たなチャレンジをスタートさせる。
型破りな旅をすることで有名なダンウッディ氏は、2月27日より日本の南端から北端までを徒歩で縦断する予定である。
その徒歩旅行中、元騎手仲間のトニー・マッコイ(Tony McCoy)氏がこの募金活動を盛り上げるために、ダンウッディ氏と合流する可能性がある。
「トニーが合流してくれれば素晴らしいのですが、彼の姿を見るまでは信じられませんね」とダンウッディ氏は語った。同氏は野宿のときに使うテントを用意するなど、荷造りを丹念に行っている。日本では、B&Bに相当する"ミンシュク"や和風ホテルの"リョカン"にも泊まるだろう。
マッコイ氏はこう語った。「私はいつも、リチャードは始めたことをすべてやり遂げると信じています。どこかでリチャードに合流したいと思います。騎手時代にずっとそうだったように、この徒歩旅行でも良いライバル同士になることを望んでいます」。
ダンウッディ氏は、英ダービーの翌週にこのチャレンジを終えるように、100日前後での達成を目標としている。そしてこの旅行中に、骨や軟部組織(脂肪・筋肉・神経など)にがんを発症した患者を支援する慈善団体"サルコーマUK(Sarcoma UK)"のために募金活動をしたいと考えている。
この募金活動のきっかけとなったのは、ダンウッディ氏の21歳の甥ジョージ氏である。ジョージ氏は肉腫(sarcoma 全身の骨や軟部組織から発生する悪性腫瘍の総称)と診断されて以来、18ヵ月にわたり闘病生活を送っている。
世界ジュニア選手権にも参戦した優秀なボート選手であるジョージ氏は、この18ヵ月間に化学治療や陽子線治療を受けている。
短期間での日本縦断に臨むダンウッディ氏は、このチャレンジを前にこう語った。「肉腫についての意識を高め、小規模な慈善団体のために募金活動ができることは光栄です」。
「サルコーマUKの素晴らしい取組みと革新的研究の促進に役立ててもらうために、何か前向きな活動をしたいと考えていました」。
医師の助言により1999年に騎手を引退したダンウッディ氏は、募金活動のために数々の困難な冒険を行ってきた。しかし、最後の冒険から8年近くが経過している。
ダンウッディ氏は、2003年にはポーラーレース(2人~4人のチームが、カナダ・ヌナブト準州リゾリュートから北磁極までの650kmを徒歩・スキーで競走するもの。食料等はそりで運搬)に出場したほか、2009年には南極点までの約700マイル(約1,127 km)を48日間で踏破した。
さらに2009年には、1,000時間連続で1,000マイル(約1,609 km)を歩いた。このチャレンジは、19世紀の賭博師が行った賭けを模倣したもので、ダンウッディ氏の住まいのすぐそばのバリーロード(ニューマーケット)で実行された。
ダンウッディ氏は、1993年にがんで亡くなった旅行記者アラン・ブース(Alan Booth)氏が行った日本徒歩旅行を再現することを思いついた。
「彼の日本徒歩旅行記『ニッポン縦断日記(The Roads to Sata)』を読みました。しかし、この本とは逆に南から北のコースを歩いてみたいと思います」。
「2年前に下調べのために日本を訪れ、1週間の徒歩旅行をしました。本当に美しい国です」。
ダンウッディ氏は九州本島の最南端である佐多岬から出発し、北海道の最北端の宗谷岬に6月初めに到着する予定。
以下のウェブサイトで募金を行うことができる。
justgiving.com/fundraising/Japan4SarcomaUK
ダンウッディ氏の日本徒歩旅行日程(予定)
2月27日 鹿児島県佐多岬からスタート
3月18日 北九州
4月 2日 大阪
(中山道)
4月22日 東京
5月18日 青森
5月28日 札幌
6月10日 北海道宗谷岬でゴール
By Bruce Jackson
[Racing Post 2017年2月7日「Dunwoody ready for hike from bottom to top of Japan」]