海外競馬ニュース 2018年03月15日 - No.10 - 2
朝鮮戦争の勇敢な軍馬サージェントレックレスの銅像建立(アメリカ)[その他]

 朝鮮戦争の勇敢な軍馬サージェントレックレス(Sergeant Reckless)の実物大の銅像の除幕式が5月16日、ケンタッキーホースパーク(ケンタッキー州レキシントン)で行われる。

 牝馬サージェントレックレスは、朝鮮戦争の戦火の中で、弾薬を運び、負傷者を背負って丘を昇り降りした。米軍の歴史において最も多くの勲章を授けられた馬である。同馬は新しい補給路を何度か通っただけで覚え、そのうち単独で補給を行った。1953年のベガス前哨地の戦いでは、1日に51回の補給を単独で行って、弾薬9,000ポンド(約4,082 kg)を運び、35マイル(約56.3 km)を歩いた。

 キーンランド協会の元会長であるジェームズ・E.・テッド・バセット(James E. "Ted" Bassett III)氏は、第2次世界大戦中に海兵隊にいた。同氏は、「もしサージェントレックレスが人間なら、名誉勲章を身に着けていたことでしょう。彼女は馬ではなく、海兵隊員です!」と語った。

 バセット氏は、ケンタッキーホースパークへの銅像建立とその周辺の造園のための費用25万ドル(約2,625万円)を集める募金活動の先頭に立っていた。サージェントレックレスの銅像はこれまでに、ヴァージニア州クワンティコの海兵隊国立博物館と、南カリフォルニア州のペンドルトン海兵隊基地に建立されている。同馬は1954年に帰国して1968年にその生涯を終えるまで南カリフォルニア州で過ごしていた。彫刻家のジョサリン・ラッセル(Jocelyn Russell)氏がサージェントレックレスの銅像を制作するのは、ケンタッキーホースパークで3度目である。

 2004年ニューヨークタイムズ紙ベストセラーの『サージェントレックレス(Sgt. Reckless)』の著者ロビン・ハットン(Robin Hutton)氏はこう語った。「私はセクレタリアトやシービスケットのような偉大な競走馬の話が好きですが、"レックレス"は国のために役立ち、命を助けました。これに勝る話はありません」。

 今年で40周年を迎えるケンタッキーホースパークは、この銅像の建立場所として公園を見渡せる丘を選んだ。これは、サージェントレックレスが朝鮮の丘で行った過酷な補給作業を象徴する。サージェントレックレス記念基金を通じて、この銅像建立のための寄付を受け付けている(Sergeant Reckless Memorial Fund, P.O. Box 1125, Moorpark, CA, 93020)。

By Lenny Shulman

(1ドル=約105円)

[The Blood-Horse 2018年2月10日「Sergeant Reckless Statue Gets May 16 Unveiling」]