海外競馬ニュース 2018年04月19日 - No.15 - 4
競馬団体の男女の報酬格差(イギリス)[その他]

 "競馬界の女性(Women in Racing 競馬界の女性の認知度を高め上級職への採用を奨励することを目的に2009年に設立されたグループ)"は、5つの主要な競馬団体から男女の報酬格差を示す統計が提出されたことを歓迎した。そして、競馬に関わるすべての団体に対して、同様の統計を明らかにするよう呼びかけた。

 英国の従業員250人以上の会社の男女の報酬格差は18.4%。それに対し、チェスターレースカンパニー社(Chester Race Company: CRC)は23%、アリーナレーシング社(Arena Racing Company: ARC)は21.6%。また、ジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourses)の男女の報酬格差は3%、BHA(英国競馬統轄機構)は16%。逆に女性の方が高かったのはグッドウッド競馬場で、同場の女性従業員の時給は男性従業員よりも13%上回っていた。

 なお、サッカー協会(Football Association)の男女の報酬格差は23%、 ローンテニス協会(Lawn Tennis Association)は31%である。

 "競馬界の女性"は、5団体の賞与支払いについて興味深い調査結果を示した。ARCにおいては男性従業員の59.1%が賞与を受け取っているのに対し、女性従業員はそれを上回る65.4%が賞与を受け取っていた。

 CRC(チェスター競馬場と場内ホテル、チェスター市内のレジャー施設、バンガー競馬場を所有)では、賞与支払いにおいても男女格差がある。72%の男性従業員が賞与を受け取っているのに対し、女性従業員はわずか30%だった。

 5つの競馬団体を比較すると、やはりグッドウッド競馬場が多くの女性を雇用している。同場の従業員給与を四分位数(個々の給与を高い順に並べ四等分し、高い順から第1~4四分位とする)でみると、中間水準(第2四分位・第3四分位)の給与で雇用されている従業員は女性の方が多く、一番上位の水準(第1四分位)では男女の従業員数は等しかった。

 ジョッキークラブでは、一番上位の水準の従業員の44.7%が女性である。

 ARCでは一番上位の水準の女性割合は38.8%と少ないが、BHAの22%、CRCの29%を上回る。

 "競馬界の女性"はそれでも、「いくつかの分野と比較すると、競馬団体における女性の進出度は全体的に高い」と指摘した。

By Bruce Jackson

[Racing Post 2018年4月6日「Arc and Chester show biggest gender disparity in staff wages」]