ディック・フランシスの小説のような事件が起こった。7月7日にグレイヴィル競馬場で南アフリカ最大の競馬祭典ダーバンジュライ開催が施行されたが、メインレースのダーバンジュライ(G1)のドーピング検査のために採取された1着~3着馬の検体と、他の全てのレースの優勝馬の検体が持ち去られたのだ。
7月7日の午後9時30分すぎ、検体を検査施設に輸送していた配達業者の車両は国道2号線で、覆面パトカーと思われる青ランプがついた白いゴルフに拡声器で停車を命じられた。
運転手は警察だと思い、命令に従って停車し、車両の外に出て、地面に伏せた。ところが、ゴルフから3人組の男が出てきて、運転手から財布と携帯電話を奪い取り、検体の入った密閉された箱も持ち去った。
翌朝、ダーバン近郊のピジョンバレー自然保護区を歩いていた女性がこの箱を見つけた。それらの箱はこじ開けられていたが、検体はまだ中にあった。
この女性は、"グレイヴィル 2018年7月7日"と記載されているのを見て、競馬に関する何かだと気が付いた。彼女が警察を連れて戻ってきたときには、箱は消えてしばらく時間が経っていた。
南アフリカ競馬機構(National Horseracing Authority)のCEOリンドン・バレンズ(Lyndon Barends)氏はこう語った。「配達業者はウエストビル警察署に捜査を依頼し、事件として扱われるのを待っています。私たちは、このような事件が起こったことをお伝えするのを残念に思います」。
By Michael Clower
[Racing Post 2018年7月9日「Drug test samples stolen from vehicle after country's biggest meeting」]