海外競馬ニュース 2018年07月26日 - No.28 - 2
ストロナックグループ、マサチューセッツ州での競馬場開発に関心(アメリカ)[開催・運営]

 ストロナックグループ(Stronach Group)は昨年、マサチューセッツ州の旧ドッグレース場レイナムパークをサラブレッド競馬場に転換することを断念した。しかし依然として、ニューイングランド地方(マサチューセッツを含む北東部の6州)の市場に関心を持っている。

 マサチューセッツ州ランカスターの主席行政担当者オーランド・パチェーコ(Orlando Pacheco)氏は本誌(ブラッドホース誌)に対し、ストロナックグループの代表者たちとの会合が7月30日に予定されていることを認めた。そこでランカスター北部の400エーカー(160ha)の土地に新しいサラブレッド競馬場を建設することについて話し合う見込み。

 パチェーコ氏は次のように語った。「ランカスター町理事会の議長であるスタンリー・スター(Stanley Starr)氏は、匿名希望の土地所有者と予備的な会合を持ちました。開発会社のキャピタル・グループ・プロパティーズ社(Capital Group Properties マサチューセッツ州ノースバラ)は、この土地を購買しようとしています。ストロナックグループは、この400エーカーの土地の一部にサラブレッド競馬場を設置するプレゼンを行うために、会合に代表者を送っています」。

 ストロナックグループの代表者から打診された土地所有者は、1週間ほど前に理事会に連絡してきた。

 パチェーコ氏はこう続けた。「現時点で私たちが把握しているのはこれだけです。理事会、計画委員会、保全委員会との会合で予備的な計画を提示したいと考えています。ストロナックグループから誰が来てプレゼンを行うのかまだ分かりません」。

 7月30日の会合ではストロナックグループのプレゼンの後に討論が行われる。これは、この町の当局者とストロナックグループが、ランカスターに新しい競馬場を建設することの実現可能性と今後この計画を前進させるかどうかについて究明するのに役立つだろう。

 ストロナックグループのスポークスマンはコメントを控えている。


 「町の人々の多くは、開発の一環として競馬場が建設されるかもしれないことについて興奮しており、すでに大きな関心を示しています」とパチェーコ氏は語った。

 ストロナックグループは2017年、旧ドッグレース場レイナムパークを所有するカーニー一族(Carney Family)と、マサチューセッツ州サラブレッドホースマン協会(Massachusetts Thoroughbred Horsemen's Association:MTHA)と会合を行った。MTHAは数年前にニューイングランドホースマン共済協会(New England Horsemen's Benevolent & Protective Association:NEHBPA)から分離している。 しかし、コースの外周を少なくとも7ハロン(約1400m)に延長しなければならず、場内には芝コース・厩舎地区・パドックがなく、レイナムパークを競馬場に転換することは財政的に実現不可能と見なされた。

 一方でNEHBPAは、現在は使われていないグレートバリントン・フェアグラウンズ(Great Barrington Fairgrounds)を改装して競馬場として生き返らせるために、サフォークダウンズ競馬場の所有者およびマサチューセッツ州サラブレッド生産者協会(Massachusetts Thoroughbred Breeders Association)と三者協定を締結している。

 ストロナックグループとスターリングサフォーク競馬場社(サフォークダウンズ競馬場で2018年まで競馬を開催)が新たな競馬場の開発に関して議論する場合に問題となるのは、サイマルキャスト賭事とオンライン投票(ADW)の運営権である。また、マサチューセッツ州が他州に倣いスポーツ賭事を解禁した場合は、スポーツ賭事の運営権も問題となるだろう。

 マサチューセッツ州では2019年に新しい競馬場が必要となる。なぜなら、2017年5月に161エーカー(64.4ha)のサフォークダウンズ競馬場の土地が不動産開発会社に売却され、このイーストボストンの競馬場で競馬が施行されるのは2018年の全6日の競馬開催で最後となると見込まれているからである。その最後の2日の開催日は8月4日と5日である。

By Lynne Snierson

[bloodhorse.com 2018年7月23日「Stronach Group Exploring New Track Location in MA」]