7月16日の暑くて蒸すような晩、ウィンザー競馬場でキューバをテーマにした開催が行われた。この開催の数時間前に、半分飲まれたラガービールの缶が馬房で発見されたため、レース前に取調べが行われ、裁決委員による報告書がロンドンのBHA(英国競馬統轄機構)本部に送付されていた。
テムズ川沿いにあるこの競馬場において飲酒はごく一般的なことであるが、当日馬に接する関係者にとっては当然許されないことである。それゆえ、ランチタイムの直後にビール缶が発見されたことで、公式な調査が行われる事態となった。
英国中でメルボルンカップのプロモーションが行われているこの週に、事件の焦点となったのは、もう1つの豪州を代表する商品、つまりラガービールの"フォスターズ(Foster's)"だった。
調教師のアダム・ウェスト(Adam West)氏が馬房の隅に隠されていたビール缶を発見したのは、その晩出走させる管理馬4頭のうちの1頭であるカパラ(Capala)を馬運車から降ろした時だ。ウェスト調教師は次のように語った。
「私たちはいつも通りレースの4時間前くらいに競馬場に到着し、出走馬4頭を馬運車から降ろして馬房に入れました。バケツに水を入れてカパラの馬房へ戻ったら、半分飲まれていたビール缶が馬房の隅に隠されていることに気づきました」。
「私はこのことを競馬場の厩舎長に伝え、彼は裁決委員に報告しました。調査はすぐに開始されました。残念なことに、カパラは薬物検査を受けざるを得なくなりました。馬や厩舎スタッフのルーティンを乱すことは何であっても好ましくありません。今となっては笑い話ですが、その時は大変面倒なことでした。やるべきことをやっただけです」。
エプソムを拠点とする同調教師は、「管理馬の昨晩の結果を踏まえると、1~2缶のビールが必要だったのは私自身でしたが」と付け加えた。
カパラは5ハロン(約1000m)の8頭立ての未勝利戦において優勝馬との着差は2馬身も開かなかったが5着までだった。しかしウェスト調教師は、この結果を事件のせいにしているわけではない。同馬の前日オッズは8~34倍だったが、発走時は13倍となっていた。
「芝のレースは初めてでしたし、馬場も少しカパラには固すぎました。それにレース前のキューバ音楽もカパラを興奮させたようです。これまでのレースではいい時計を出していたので、まずまずのオッズがついたことには驚きませんでした」と同調教師は述べた。
By Bruce Jackson
[Racing Post 2018年7月17日「Strewth! Can of Foster's larger in Windsor stable sparks stewards' inquiry」]