ベルモントパーク競馬場(ニューヨーク州エルモント)とローレルパーク競馬場(メリーランド州ボルチモア)で、馬ヘルペスウイルス(EHV-1)の陽性反応が確認された。これを受け、オークローンパーク競馬場(アーカンソー州ホットスプリングス)は1月21日、新たな通知があるまでこれら2つの競馬場の所属馬の入場を禁止すると発表した。
NYRA(ニューヨーク競馬協会)は1月9日、ベルモントパーク競馬場の44番厩舎にいた3歳未出走馬(リンダ・ライス厩舎)が陽性と判定されたことで、馬ヘルペスウイルスの最初の症例を報告した。
この馬はコーネルラフィアン馬診療所(Cornell Ruffian Equine Hospital)で"軽い呼吸器系疾患による発熱"と診断され治療を受けていたが、馬ヘルペスウイルス陽性と判定された。NYRAはこの判定を受けてすぐにこの馬を隔離馬房に入れた。
44番厩舎の収容馬はすべて隔離され、他馬と一緒に調教することや同じニューヨーク州のアケダクト競馬場への出走が禁じられた。
その後、ローレルパーク競馬場のファイアプラグS(1月20日)に参戦予定だった44番厩舎の収容馬3頭の出走を、メリーランドジョッキークラブ(Maryland Jockey Club: MJC)が禁止した。
最初の感染馬は再検査を受けたが、1月19日に再び陽性と判定された。これにより、予防措置としてベルモントパーク競馬場での隔離期間が延長された。
ところが1月20日、MJCの理事長兼社長のサル・シナトラ(Sal Sinatra)氏は「ニューボルトンセンター(New Bolton Center ペンシルベニア州ケネットスクエア)からローレルパーク競馬場に輸送された馬が馬ヘルペスウイルスの陽性と判定された」との声明を出した(訳注:この馬はニューボルトンセンターで去勢手術を受けていた)。
この馬はローレルパーク競馬場外に移動させられ、収容されていた厩舎は隔離された。この馬への再検査は1月23日に予定されおり、再び陽性と判定された場合は、隔離措置が1月30日まで続けられる。
またメリーランド州農務局とペンシルベニア大学は、ボルチモア郡の牧場からニューボルトンセンターに輸送され、疝痛の治療を受けていた馬が馬ヘルペスウイルス陽性と判定され、1月18日に安楽死措置がとられたと報告した。
ニューボルトンセンターのウェブサイトは次のような声明を出した。「この馬は馬ヘルペスと関係のない疾患で搬送されました。1月16日に、馬ヘルペス骨髄性脳症(equine herpes myeloencephalopathy: EHM)と一致する徴候を示し、馬ヘルペスウイルスの陽性と判定されました」。
「この陽性が確認される前にセンターを出発していた馬の中には、このウイルスに晒された疑いのある馬がいました。ペンシルベニア州農務局はこれらの馬を追跡し隔離しました。ペンシルベニア州ではこの疾病の拡大を防ぐために、ウイルスに晒された可能性のある馬を受け入れた施設に特別検疫が発令されています」。
メリーランド州農務局は馬を世話する者に対して、馬の神経症状を注視し、体温をチェックするよう促した。
By Mary LaRue
[bloodhorse.com 2018年1月21日「Oaklawn Issues Ban Amid EHV-1 Positives」]