ブリーダ-ズカップ協会(Breeders' Cup Ltd.: BCL)は、8月17日にサンタアニタ競馬場において行われた記者会見で、2021年までのブリーダーズカップ開催場を以下のように発表した。
2019年11月1・2日:サンタアニタ競馬場(同場では10回目のBC開催。最多記録)。
2020年11月6・7日:キーンランド競馬場(2015年にBCを初開催)。
2021年11月5・6日:デルマー競馬場(2017年にBCを初開催)。
BCLのCEOクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)氏はこの発表の後、こう語った。「サンタアニタが素晴らしい競馬場であることは周知の事実です。ブリーダーズカップの開催場になることに関しては『もし』ではなく『いつ』と問うべきでしょう。以前開催場として成功を収めたデルマーとキーンランドについても、同じことが言えます」。
2018年ブリーダーズカップはチャーチルダウンズ競馬場で開催される予定であり、同場にとっては9回目となる。
また、この発表で今後3年間も「カリフォルニア州/ケンタッキー州」で開催されることが確認された。14年連続で、2州のいずれかがブリーダーズカップを開催することになる。
キーンランド協会のCEOビル・トマソン(Bill Thomason)氏はこう語った。「2015年ブリーダーズカップではケンタッキー州は理想的な舞台となりました。キーンランドが2020年に再び開催場となることをこの上なく喜んでいます。このイベントが競馬産業および地域にもたらした成功を足掛かりにして、2020年ブリーダーズカップはさらに素晴らしいものとなるでしょう。ブリーダーズカップを再び開催できることを楽しみにしています」。
ブリーダーズカップが「ケンタッキー州/カリフォルニア州」以外で開催されたのは、直近では2007年である。2日開催に拡大された2007年ブリーダーズカップは、モンマスパーク競馬場(ニュージャージー州)で開催された。フレイヴェル氏は8月17日、2州以外の競馬場がこのイベントを開催することに依然として関心があると述べ、こう語った。
「私が開催場選定に関わり始めた2011年、開催場はサンタアニタかチャーチルダウンズのいずれかでした。現在のようにさまざまな競馬場でこのイベントを開催しようという考えはありませんでした。私たちがキーンランドとデルマーを開催場とすることで試みたのは、異なる開催場モデルを検証することであり、実際それが可能となりました。ゆくゆくは、選択肢が増えていくだろうと思います。ブリーダーズカップへの関心を隠してこなかったローレルパーク競馬場(メリーランド州)、それに、スポーツ賭事を始めて実入りの良くなったモンマスパーク競馬場から、問合せを受けています。これらの競馬場についても検討するようにしたいと思います。また、ニューヨーク州についても話してきました」。
「現在のローテーションが不動のものになるとは考えていません。数々の競馬場がブリーダーズカップを開催したいと考えて問い合わせてくる状況を作り出したいと思います。そして、彼らがブリーダーズカップを招致するにあたり、競馬のために最善を尽くすことを望みます」。
一方、サンタアニタやローレルパークなどを所有するストロナックグループ(Stronach Group)のティム・リトヴォ(Tim Ritvo)氏は、こう述べた。
「ローレルパーク競馬場が2021年までにブリーダーズカップの開催場に選ばれることを望んでいましたが、今では同競馬場が2022年の開催場に選ばれることに強い意欲を持っています。この競馬場は施設面においてまだ十分に整備されていませんが、私たちは昨日の会合でそれについて素晴らしい議論を行いました。メリーランド州は2022年開催に向けて大きな後押しを行うために、諮問委員会を招集しようとしています」。
またリトヴォ氏は、2019年ブリーダーズカップまでに総工費500万ドル(約5億5,000万円)を掛けてサンタアニタ競馬場の改装工事を行うと述べた。その工事には、グランドスタンドへの新たな屋外特別室の設置や、クラブハウスエリアの上層階の改装が含まれる。同氏は、グランドスタンドの上層階の特別室はあたかも"座ってくつろげる家のベランダ"のようになるだろうと述べた。
ニューヨーク州でブリーダーズカップが施行される可能性について、フレイヴェル氏は、同州の競馬場がこのイベントを招致するには設備改善が必要となるだろうと述べた。
そしてこう付言した。「ニューヨーク州がブリーダーズカップを招致したいと考えていることは分かっています。はっきりしないのは、そのタイミングだけです。今後半年のうちに彼らが計画していることを明確に把握したいと思っています。残念ながら、ニューヨーク州は経験が乏しいので、計画をよく練っても人々がコントロールできる範囲外の要因により影響を受けるかもしれません」。
By Jeremy Balan and Alicia Wincze Hughes
(1ドル=約110円)
[bloodhorse.com 2018年8月17日「Breeders' Cup Host Sites Announced Through 2021」]